昨日エマソンの「美しいものを見つける為に私たちは世界中を旅行するが、自らも美しいものを携えて行かねば、それは見つからないだろう」という言葉をお贈りしたところで、こんな素敵なお話に出会いました。
いつも楽しく読ませていただいている『みやざき中央新聞」の2013年4月15日号に掲載のみ記事からご紹介します。
松永さんが生まれつき目の見えないおばちゃんと話したときの会話で、松永さんは目の見えないおばちゃんに景色とか色の話をしてはいけないと思っていました。
ある時、おばちゃんがふいに、「松永さんは何色が好きなん?」と僕に聞いてきたんです。
とっさに言葉が出てきませんでした。そしたらおばちゃんが「私はな、ピンクが好きなんや」と言ったのです。
「見たことないんやろう? なんでピンクが好きって言えるん?」
「小学校のときな、お母ちゃんがピンクの服を買うてくれはってん。それ着たら、みんなが『よう似合う、かわいい』って言うてくれはってん。私、女の子やん、めっちゃ嬉しかってん。だから私、ピンクが大好きになったんや。今でも服を買いに行くやんか。お店の人につい『ピンク系統にして』って言うから、ピンクが多いねん。」
「じゃあ、ピンクってどんな色や思うてんの?」
おばちゃんは、「桜の色やろ?」と言って、ふふっと笑いました。
「私な、春になったら毎年友だちと花見に行くねん。行って桜の花を触らせてもらうねん。そしたらいつも幸せな気持ちになんねん。『これがピンクやな』って思ったら、めっちゃ幸せな気持ちになんねん」
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見えるから綺麗さを感じるのではなく、綺麗さを見つける心があるから、好きな色を感じられるのですね。
不自由のない状態にあるのであればなおさら、全力を尽くさなければもったいないですね。