教育評論家の梨戸茂史さんが書かれた「スマホ依存症」(文部科学教育通信 No341 2014-06-09)をご紹介します。
「依存症」と言えば、「活字」だったのは昔の学生。困るのはアルコールやクスリの依存。今の依存症は「スマホ」すなわちスマートフォンなる携帯電話。
電車で隣の学生やらOL、サラリーマンの手元をのぞいてみたら、ゲームをピコピコやっている。メールは半数くらいだろうか。それも急ぎとも思われぬ内容(見たわけじゃないが)。どうりで「大学生一日当たりの読書0分が4割超」と、新聞が嘆く(朝日新聞2014年4月21日付)。そうでしょうね、活字離れは「新聞」離れに通ずる。新聞が売れなくなる。その結果、今や新聞の広告が大会社ではなく、少々わけのわからない品物の宣伝や年寄り(スマホは使えない世代)目当ての旅行商品や通信販売が多い。
元に戻って、この記事、全国大学生活協同組合連合会の調査の紹介。生協も、本の売り上げが生命線。春先の入学当初の冷蔵庫などの必需品、パソコンなどを売ったら後は日ごろの本の売り上げが大事。出版社も活字離れが響いて経営も苦しかろう。活字世代は死に絶えるだけ。
さて、「大学生48%、"スマートフォン中毒"」だそうだ。そのうち、女子学生がもっとひどく深刻化しているらしい。アルバイトポータル「アルバ天国」がスマートフォンを使用している大学生1896人を対象に"大学生のスマートフォン利用状況"を調査した結果、約半数(48.3%)は、スマートフォンがなければ不安だと回答したそうだ。これが2011年の調査である。もっともこの会社?スマホでアルバイトを探すシステムなのでしょうから、当然使用者は多いはず。それを割り引いても「ちょっとね」の困った話。
だいぶ以前からだけど、スマホや携帯をいじりながら歩いている人が多い。駅で小学生がホームから落ちる事故もあった。大人も転落する。大人がそういうことばかりしているから、子供が真似する(多分、ゲームでもしていたかな)。そもそも、急ぎの調べ物があるとしても、なぜ立ち止まれないのか?
学生の最大の問題は、授業中に触っていること。何見ているのでしょう。それに教室のコンセントから充電している。見つけたら「窃盗だ!」と怒っても、懲りずにまたやる。「次回、見つけたら、窓から落とすそ。壊れても責任は持たない」と言えばやっとやめる。高いからね・・・値段も教室の場所も。
勉強しない層が大学生になっているのだから仕方ないかも知れない。今の学生、もしかしたら幼稚園のころからゲーム漬け。テレビや携帯の画面は見慣れた世界。別な人種と思った方がいいらしい。
ところで、スマホ中毒の解消法を考えた。①予備のバッテリーを持ち歩かない(長時間使えなくする)②枕元にはスマホを置かない(朝から寝るまで手放せない習慣を断ち切る)③電源を切る習慣をつける(電気代の節約になる)④ポケットに入れない、鞄にしまおう(すぐ出せなければ使わない)⑤音楽やゲームのプレーヤーは分ける(遊ばないのだ)⑥使用の時間や回数の設定(自己管理が必要ですが)⑧通知機能をオフにする(どうせ大した連絡はないでしょう)⑦「ガラケー」に戻してみる(料金も安くなる)⑧長くて複雑なパスワードでロックする(使いにくそう)⑨中毒性のアプリに「時間泥棒」の表題をつけて管理する(気分が悪くなる)⑩特に女性に「美容にも健康にもダメ」と宣伝する(スマホを見ると自然に体が前かがみになる。バストが垂れてしまう最悪な姿勢だそうだ)
・・・こう言っても、使う奴は使うかな?そのうちスマホの電波で頭がパーになるという研究を発表してほしい。理研さんいかが。