二、人はその長所のみ取らば即ち可なり。短所を知るを要せず。
三、己が好みに合う者のみを用うる勿れ。
四、小過を咎むる要なし。ただ事を大切になさば可なり。
五、用うる上は、その事を十分に委(ゆだ)ぬべし。
六、上にある者、下の者と才知を争うべからず。
七、人材は必ず一癖あるものなり。器材なるが故なり。癖を捨てるべからず。
八、かくして、良く用うれば事に適し、時に応ずるほどの人物必ずこれあり。
荻生 徂徠(そらい)
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江戸時代中期の儒学者である徂徠が唱えた人を育てる要諦です。
その人の良さは一緒に仕事をしてみて段々と分かるようになるものであり、その長所を伸ばすようにすれば、短所を気にする必要はないと。
自分の言うことを聞く人や自分の好みに合う人とばかり一緒に仕事をするのではなく、失敗があっても小さな過ちに目くじらをたてないこと。
上の立場にあるものは下の立場のものと知恵比べをしてはいけない。
若い人の方が新しいことを十分知っているのだから補い合うべき、任せるべき。
さらにそうして重用する人物は一癖も二癖もあると最初から理解しているべきである。
そうして人を用いていくことで、良い人材が育っていくというお話。
他人と仕事をするときは、肝に銘じていきましょう。
人を育てる|今日の言葉 から