2012年3月28日水曜日

漫然ではダメ、意識的に働け(土光敏夫)

日本人は勤勉だといわれるが、たしかにそうかもしれない。しかし、その働きの中身となると、はたしてどうでしょう?厳しいかもしれないが、僕の目から見ると、どうもそうは思えないんだな。働くという字には「人べん」がつく。人が動くから「働く」。ところが、実際には「働く」のニンベンが消えて、ただの「動く」になっているような面が多々ある。肝心の人間がみずから「人」を放棄しているわけだ。

工場などは、システムで動いているからサボるわけにはいかんけれど、外回りの社員たちは喫茶店で時間を潰したり、ひどいのになるとパチンコ屋で遊んでいたりする。それでも成績を上げてくれればいいが、世の中、そんなに甘くありません。

工場のシステムに組み込まれていても、ただ漫然と仕事の流れに身を任せている人と、意欲をもって働く人とではやがて大きな差が出る。ちょっとした心遣い、人より一歩先をみることができるかどうか。これは能力のあるなし、頭の良し悪しに関係ない人間の姿勢自体の問題です。