今月14日は、バレンタインデーでした。チョコレートの原料はカカオ豆ですが、その原産国であるガーナやナイジェリア、コートジボアールなどの農場では、人身売買で連れてこられた何万人もの子どもたちが、休みも賃金もなしに危険な仕事に携わっているそうです。
このカカオ豆を安価に大量生産するために根付いている児童労働を撤廃すべく、NPOなどを中心とした世界的な取り組みが進められていますが、世界で流通しているチョコレートの中には原料のカカオ豆が過酷な奴隷労働によって生産されていること、奴隷の多くは10代の少年たちであること、彼らはだまされたり親に売られて農園に連れてこられていること、自分たちが作っているカカオで一体何が作られるのか(チョコレートというもの)を知らない子どもたちであること、そしてそのような人々の犠牲の上でチョコレートを口にしていることを、チョコレート好きの私達日本人はしっかり覚えておかなければなりませんね。
詳しくは「子供の奴 隷が作るチョコレート」をご覧ください。
http://mscience.jp/cocoa.htm
「フェアトレード」という言葉があります。途上国の農民は、自分たちで作ったものの価格を自分たちで決めることはできないそうです。仲買人に足元を見られ、生産コストを下回るほどの安い価格で買い叩かれてしまうそうです。また、途上国では、労働者の権利が守られないことが多く、労働環境が劣悪で、受け取る賃金が不当に安く抑えられているのが現状だそうです。
さらに、途上国では、貧しさゆえに教育を受けられない、だから低賃金の仕事にしか就けない、だからさらに貧しくなる、だから子供が学校に行けない、だからその子供も学校に行けない・・・という悪循環が繰り返されています。
こういった状況を解決するためには、安全で安心できる物を継続的に生産することができ、生産者が十分暮らしていける価格や賃金を保障する必要があります。生産者を経済的に支援し、彼らが安心して働ける場を作り出し、貧困から抜け出す手助けをすること、そして子どもたちが学校に行けるようにすること、それが「フェアトレード」の目的だそうです。
以上は、次のサイトから引用させていただきました。詳しくはこちらをご覧ください。
フェアトレード情報室
http://mscience.jp/index2.htm
話は変わりますが、今週、国立大学法人大分大学で、2年間分2億4500万円の超過勤務手当の不払いに関する記事が大きく報道されました。国立大学法人では、大分大学に限らず、未だにサービス残業を美化する風土が残っていることは否めません。使命感・責任感をもって業務を遂行すること自体は納税者も十分理解するところだろうと思いますが、労働法令の遵守という観点からは改めるべきところは改めていくべきでしょう。
今回の不払いの報道をよく見てみると、労働基準監督署の指摘に基づいたものではなく、大学自身の業務監査の結果に基づいた行動のようです。大学によっては、怪しい実態があるにもかかわらず見て見ぬ振りをする、あえて監査の対象にしない、あえて公表しないというところもあるわけで、大分大学の場合には、法人化によって導入された監査制度がしっかりと大学経営の中で機能し、大学にとって不利な情報であっても透明性をもって社会に対する説明責任を果たしているというという点においては、高く評価されるべきことではないかと個人的には思ったところです。