顧客を知ることによって、いかなる成果を得られるかが明らかになる。目標を明らかにし、何を現実のものにできるかを知ることができる。
「われわれは何をしようとしているのか」「大学の質と規模を継続するには、どれだけの学力の入学者をどれだけ確保しなければならないか」
これを知っておけば結果からフィードバックすることができる。そのとき、「あれはうまくいっているが、これはあまりうまくいっていない。これにもう少し力を入れよう」あるいは「もう少し強力な者に担当させよう」「入って欲しい学生に入ってもらうには何を考えなければならないか」ということができる。
イノベーションのための戦略を成功させるには、機能しなくなったもの、貢献しなくなったもの、役に立たなくなったものを廃棄するシステムが必要である。
これを行わないかぎり、いかなる組織といえども、肥大化の挙げ句、重要な資源を成果の望みえないところへ注ぎ続けることになる。
非営利組織が常に考えるべき問題が、「顧客にとって大事な何を行うことができるか」である。そのあとで、提供できるサービスの構造を考え、提供の仕方を考え、人の手配を考える。そして再び基本に返り、何を、いつ、どこで行うかを考える。さらに重要なこととして、誰が行うかを考える。
非営利組織が応えようとするニーズのほとんどは、いつになっても消えることのないものである。人間がいるかぎり存在するものである。しかしそのニーズの現れ方は変化する。それを見つけることがマーケットリサーチの役割である。
特に、顧客であるべきなのに、サービスの提供のされ方が合っていないために顧客になっていない者にとって、それがどのようなニーズかを明らかにする。マーケットリサーチが明らかにするものは、「われわれの強みに合い、顧客を満足させるサービスを開発できるか」である。そして「動くべき時はいつか」である。
戦略があれば、行動にコミットしたも同様である。戦略の真髄は行動にある。ミッション、目標、マーケット、そして「その時」を統合したものとしての行動である。
戦略の成否は成果にかかっている。戦略はニーズに始まり満足に終わる。したがって顧客にとっての満足が何であるかを知る必要がある。
非営利組織たるものは、顧客と寄付者に敬意を払い、彼らにとって価値あることを聞き、彼らの満足を理解することができなければならない。万が一にも、仕えるべき相手に、自らの考えを押しつけることがあってはならない。