平成25年度の政府予算案が1月29日に閣議決定されました。今回の予算編成作業は、民主党から自民党への政権交代に伴い年末から年始にかけて行われ、各省庁のお役人様方は、世間が正月浮かれしている中で、大変なご苦労をされました。お疲れさまでした。
(参考)平成25年度文教・科学技術予算のポイント(財務省)
さて、関連して今回は、文教ニュース(第2223号)から「珍しい初夢」を抜粋してご紹介します。
約3年ぶりの政権交代となり、政治行政の世界は大きく様変わりした。昨年12月総選挙の頃から、株価が上昇し、円安傾向となった。重厚な布陣の安倍政権の経済対策への期待が大きいと報道されている。
お陰様で、霞が関は年末年始気分に浸る間もなく与党のご意見を伺いながら切れ目のない補正予算、概算要求組み換え作業に追われている。自民党本部には連日各省の幹部が詰めかけ、各部会では「与党ともなるとさすがに各省幹部が来てくれるんだ!」、「次官が自民党本部に来たのは3年ぶりだよね」といった軽口が先生方の一声。一方、役所の幹部からは「今からこうした『前のめり』ペースでは、国会が始まったら息切れするのでは」との諦めにも似た呟き。
それにしても、安倍新政権は自公総裁・代表経験者を4人擁する重厚な顔ぶれだ。その一人は科技術庁長官も務めた谷垣法相だが、ポストは自ら希望したそうだ。そのきっかけは、あの後藤田正晴元副総理から「国家では、財政を扱う大蔵、外交を扱う外務、教育を扱う文部、そして法の支配を担当する法務、の四つが大事だ」と言われたからだという(1月11日付読売新聞「谷垣氏と後藤田氏」)。教育行政を国政の重要な柱と捉えたのは如何にも後藤田さんらしい。
この逸話から連想したのは、伊吹文明衆議院議長が、当時の文部科学大臣を退任した際の職員への挨拶。「諸君の一番の目標は、国家公務員志望の特に優秀な若者が、財務省でもなく、総務省でもなく、諸君の職場を第一志望とする、文部科学省をそういう役所にすることだ」との印象的な訓示。
新政権では、教育再生や科学技術イノベーションが柱の一つとなっている。日々の報道でも、いじめや体罰の問題、ライフサイエンスなど基礎研究の推進、スポーツ振興、文化財の活用、大学改革、グローバル人材の育成、産学官連携・異分野融合によるイノベーション創出など、文部科学省の関係する内容がひっきりなしだ。
日本の教育、文化、スポーツ、科学技術・学術に責任を持つ文部科学省自身が、霞が関の「御殿女中」、「お公家さん」と揶揄され、他省庁から煙たがられているようではダメで、他省庁から恐れられるような、重たい存在になるべきである。優秀な若手が殺到するような役所にしなければ国政の重責を果たせない・・・。
・・・てなぐあいに、様々なことに想いを巡らせて、意識が朦朧としていたところ、「財務省から呼び込みです!」と若い人に声をかけられた。ふっと我に返ると、机に脚を載せてうたた寝していた。予算査定の休日出勤の中で、今年初めての夢らしい夢を見た。(猪突猛進)