幸せだから歌うのではなく、 歌うから幸せなのだ。
ウィリアム・ジェームズ
心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
そして、人格が変われば運命が変わる。
ウィリアム・ジェームズはそう鼓舞する。
快活さを失った人がそれを取り戻そうとする最善の方法は、快活にふるまうことだ。
勇気ある者になりたいと思ったら勇者のようにふるまうことである。
つまり、踏み出すことだ。
人間には、自分がなりたいと思うようになっていく性質がある。
人生を変えたかったら今すぐ、派手に大げさにやりなさい。
そして言い訳しないこと。
そうハッパをかける。
熊に出会って恐怖で逃げる。
そう言われるが実は逆だ。
ジェームズは、逃げるから恐ろしくなるという「情動説」を説く。
熊を視認すると臓器や骨格筋に身体的な変化が発生し、その変化が大脳皮質に伝えられると起きるのが情動なのだ。
怖くて 身体的な変化が発生するのではなく、身体的な変化が発生するから恐怖が発生するという順序である。
役者が感きわまった身ぶりをすることによって、実感的に悲しくなって迫真の演技をする、というのもこの説で説明できるとした。
ジェームズは、機能主義心理学者とも呼ばれる。
意識を、原因、条件、結果とい った身体が受ける要因との関係で解き明かそうという分野だ。
だから、いかによい気質を備えていても......とジェームズは言う。機会が来るたびに具体的な行動に出なければ、人格はちっとも向上しない。
いかによい意図を持っていても何の役にも立たない。
行動せよ、と。