2023年12月30日土曜日

記事紹介|下座に身を置く

「上善(じょうぜん)は水の如し」(老子)

次の言葉が続く…

「水は善く万物を利して争わず

衆人の悪(にく)む所に処(お)る

故に道に近し」

理想の生き方は、水のようであるべきだ。

水は万物をうるおし、利や得を与えているが、だからと言って自己主張することもなく、下座(げざ)に身をおいて泰然としている。

だからこそ、道を究めた、こだわらない生き方だと言える。

流れに逆らわないこと、謙虚で柔軟であること。

ものごとに執着しないこと、威張らず偉そうにしないこと。

しかしながら、水は普段は静かだがとてつもないパワーを持っている。

急流での水のパワー、豪雨や、津波の力…。

「下座行(げざぎょう)」について森信三先生はこう語っている。(修身教授録)より

『「下座行」というのは、一体どういうことかと申しますと、自分を人よりも一段と低い位置に身を置くことです。

言い換えれば、その人の真の値打ちよりも、二、三段下がった位置に身を置いて、しかもそれが「行」と言われる以上、いわゆる落伍者というのではなくて、その地位に安んじて、わが身の修養に励むことを言うのです。

そしてそれによって、自分の傲慢心が打ち砕かれるわけです。

すなわち、身はその人の実力以下の地位にありながら、これに対して不平不満の色を人に示さず、真面目にその仕事に精励する態度を言うわけです。』

「水のように生きる」を胸に刻みたい。

記事:水のように生きる|人の心に灯をともす