「運」は誤解されがちな概念である。成功者は運がいいように見えるが、実際はポジティブな心の持ち方と粘り強さによって、自分の手で運をつくり出しているのだ。
オリンピック選手について考えてみよう。彼らは運がいいから成功したのではな い。毎日、何時間も厳しいトレーニングを積んで、やっと非凡なレベルに到達したのだ。家でぼうっとして幸運が訪れるのを待っていたわけではない。 同じことが優良企業についてもあてはまる。トヨタ自動車は運がいいから販売が伸びたのではない。全従業員が一致団結して努力し、卓越した製品をつくるというビジョンを持ち、業績を伸ばせるという確信を持ち、計画を立てて目標を達成できるまで粘り強く改善を重ねたからだ。
運がよくて成功したように見える人がいるというのは事実である。彼らはタイミングよくいい場所にいるように見える。しかし、彼らは「自分は必ず成功する」という前向きな姿勢を常に持っていたからこそ、チャンスを引き寄せたのだ。ネガティブな人は「どうせダメに決まっている」「やってもムダだ」と思い込んでいるから、チャンスが訪れているにもかかわらずそれを逃してしまうのである。ネガティブな人は、運のよしあしを言い訳に使っている。彼らは努力せず、自分の失敗を直視するのを嫌うあまり、「他の人たちが成功したのは運がいいからだ」と考える。
トーマス・ジェファソン(米国第三代大統領)は言っている。
「私は努力すればするほど運がよくなることを発見した」
これはたいへんいいアドバイスだ。