国が所管する公益法人は約6600あると言われていますが、このうち、1)国や独立行政法人からの収入が半分以上を占める、2)官僚OBの天下りを受け入れている などの条件から仕分け対象を絞込み、結果として12省庁の78法人が選ばれたようです。
リストに目を通して驚いたのは、文部科学省関係では、「民間放送教育協会」ただ一つ。
文部科学省や傘下の独立行政法人から税金を原資とする補助金等が配分され、そこに役員のみならず役人のOBや出向者を受け入れている公益法人はかなりの数あるはずだし、投じられている税金も、使っている人件費も半端ではないはずです。
これまで、こうした天下り団体への税金のバラマキにメスを入れようとして、OB達の力技によって残念ながら実現できなかった財務省や文部科学省の心ある人達の努力を決して無にしないためにも、真の”政治主導”が今こそ機能すべきです。
ちなみに、前半戦で行われた”独法仕分け”では、以下のように組織そのものの存続を問われたケースもありました。「公益法人改革」は独法以上に厳しくなければ、仕分け事業そのものの存在意義はないと考えます。
国立大学財務センターなど11事業廃止=ダム管理は原則民間に-仕分け4日目(2010-4-28 時事通信)
国立大学財務・経営センターで廃止と判定されたのは融資事業のほか、同センターが引き継いだ旧国立学校特別会計の債務償還業務、国立大学法人の経営相談事業、国立大学法人の財務・経営調査など。作業グループは「基本的に各国立大学法人に任せる」と判断した。
国立大の経営相談など廃止・・・仕分け(2010-4-28 読売新聞)
国立大学財務・経営センターが国立大学付属病院に施設整備費を融資する施設費貸付事業など2事業については、「各国立大学に任せればよい」として、廃止と判定。経営相談事業など4事業も廃止とした。
国立大センター6事業廃止 独法仕分け最終日(2010-4-28 共同通信)
文部科学省は、大学評価・学位授与機構が行う認証評価事業に関し、民間に委ねる方向で2010年度中に検討に入ると表明、仕分けでも民間移管となった。国立大経営センターは、旧国立学校特別会計から財政融資資金への債務償還や、国立大学法人の財務・経営に関する調査研究も「廃止」対象。作業後、センター幹部は「組織が全否定された」 と記者団に述べ、組織の廃止につながりかねないとの認識を示した。
国立大学センターの6事業「廃止」 独法仕分け最終日(2010-4-28 朝日新聞)
文部科学省が所管する「国立大学財務・経営センター」の国立大学への施設費貸し付け業務や調査研究など主要な6事業について「廃止」と結論づけ、不要資産の国庫返納を求めた。同センターは、国立大学付属病院などへの貸し付け業務について、仕分け人から「センターがする必要があるのか」「国立大学が独自に借り入れればいいのでは」といった指摘が相次いだ。豊田長康理事長は仕分け後、「私どもの組織を全否定された。大変厳しい」と語った。文科省所管の「大学評価・学位授与機構」は、認証評価事業は「民間の判断に任せる」、国立大学法人の評価は「国が決定」、学位授与事業は「規模縮減」となった。
国立大センターは対象全6事業「廃止」 「組織を全否定」うなだれる新任理事長(2010-4-29 産経新聞)
「国立大学財務・経営センター」は財政融資資金を財源にした国立大病院への施設整備費の貸し付けなどを行っているが、仕分け人から「大学の面倒を見てあげるという発想では駄目」などの厳しい意見が相次ぎ、結論は対象の6事業がすべて「廃止」判定。貸し付け事業については、仕分け人が「国立大病院は貸し倒れリスクが少なく、独法がそこに特化した融資を行うことはない」。センター側は「大学病院は『第2の夕張』にならないかと懸念されるほど危機的な経営だ。支援しないと」と訴えたが、「大学病院も経営の自覚を持たないといけない」と反論され、「廃止」となった。