2012年2月18日土曜日

執念をもって仕事せよ(土光敏夫)

仕事に困難や失敗はつきものだ。そのようなとき、困難に敢然と挑戦し失敗に屈せず再起させるものが、執念である。そればかりでない。およそ独創的な仕事といえるものも、執念の産物であることが多い。湯川博士は中間子理論のヒントを寝床の中で得たという。しかしその背後には、寝ても覚めてもその一事に凝り憑かれた長い執念の期間があったことを忘れてはなるまい。

物事をとことんまで押しつめた経験のない者には、成功による自信が生まれない。能力とは「自信の高さと幅」だといえる。自信を一つ一つ積み上げることが、能力を獲得する過程である。執念の欠如する者には、自信を得る機会が与えられない。