2014年7月27日日曜日

本質を見失わない

ブログ「外から見る日本、見られる日本人」から功名と狡猾」(2014年07月20日)をご紹介します。(下線は拙者)


最近の社会事件を見ていると功名と狡猾をその背景に感じるのは私だけでしょうか?

本人は意識していなくても案外そうだったのが小保方さん。履歴書的には最高の水準にあった彼女が思ったことは功名なのでしょう。何か大きな功績をあげて名を上げたいと思うのは世の常、人の常。それが先走ることで学究の本筋をはき違えたのかもしれません。

狡猾の方はベネッセの名簿情報を第三者に売却したシステムエンジニアをまずあげましょう。数百万円の金を得るために犯した罪としては取り返しがつかない大きさとなりました。もうひとつ例を挙げれば全国最年少として有名だった美濃加茂市の29歳市長が収賄で逮捕された事件も恥ずかしい結果となりました。事実関係はまだ取り調べ中のようですが直接の容疑は30万円を貰ったばかりの結果でした。

私が感じるのは昔ほど世の中は甘くないということでしょうか?先日もこのブログで会社員の不正とその巨額化を取り上げさせてもらいました。何故、見つかるのかといえば世の中の監視体制、システム、倫理がより厳しくなってきている一方、複雑化した世の中の趨勢からどんどん離れていく人も増えているように見えます。

システムエンジニアの場合、ソフトやハードなどその世界に精通しているものの人間として持たねばならないバランス感覚が欠如していた訳です。同じことは美濃加茂市の市長も同様でしょう。

そういえば野々村竜太郎兵庫県元県議も不思議な人でした。あの日帰り出張が何のために使われていたのか、いや、本当に行っていたのかという点もしっかり調査してもらいたいものです。そもそも出張旅費が実質的に報酬の一部である様な管理の甘さが招いた問題ですが、彼の場合はそれを利用した狡猾さとも言えましょう。

功名と狡猾、この二つに共通するものは結果を急ぐことでしょうか?

努力する、汗を流す、日々の積み重ねとった言葉は今は流行りません。いかに簡単に、効率的に、上手に、というのが主流になりつつあります。しかし、要領だけで世の中乗り切れるものではありません。自分をしっかり磨き、失敗を繰り返し、それを乗り越えてこそ、人間が太くなるものです

残念ながら世の中の動きはあまりにも早く、人間の精神がそこについていかなくなりました。だからこそ、道を踏み外し、それがあっさりばれるようになっています。

私の周りにもそういう人はいます。本やネットで得た知識を雄弁に語り、いかにも出来そうに見えるけれど一皮むけばあれ?というタイプでしょうか?結局人はその饒舌さやプレゼンテーションに騙されやすくなっていると思います。そのような人たちもある分野においては優れた能力を発揮するけれどそれ以外があまりにもお粗末ということはより一層増えてきたのではないでしょうか?それは新しいことが増えすぎて我々自身がもはやついて行っていないということでもあるのです。

我々は物事の本質を追求し、じっくり腰を据えて考えることが重要になってきています。私は8割の時間で日々をこなし、2割を自分のための時間にすべく生活をシフトしつつあります。それは追われる人生ではなく、わが道を熟考し、ブレない人生を作り上げるためであります。

勿論、働き盛りの若い人にそんなこと言えば年齢がそうさせる、と反感を買いそうですが、どの人も少なくともそういう気持ちだけでも持ち続けてもらいたいものです。