ブログ「今日の言葉」から「生きる目的」(2014-06-30)をご紹介します。
人間が生きる目的は、「喜ばれる存在」になること。
他人と競ったり、比べたり、争ったりして、
「1位」になるためにあるのではない。
小林 正観(せいかん)
私には「知的障害」を抱えた長女がいます。
彼女は、普通の子どもよりも筋力が足りないため、速く走ることができません。
運動会の徒競走に出ると、1位はおろか、2位になることも、3位になることもありません。
いつも「ビリ」でした。
忘れもしません。彼女が小学校6年生のときです。
運動会の前に足を捻挫してしまった友だちがいました。
長女はその友だちと一緒に走ることになっていたため、友だちには悪いのですが・・・、
「はじめてビリじゃないかもしれない」と妻は期待していたようです。
運動会を終え、妻はいつも以上にニコニコしながら帰ってきました。
長女がビリから抜け出したのかと思いきや、「今回も、やはりビリだった」というのです。
ところが妻は、今回もビリだったことを嘆くどころか、ニコニコと嬉しそうにしていました。
徒競走がはじまると、長女は足を捻挫した友だちのことを何度も振り返り、気にかけながら走っていたそうです。
自分がゴールすることよりも、自分がビリから抜け出すことよりも、怪我をした友だちのことが心配だったのでしょう。
友だちは足をかばうあまり、転んでしまいました。
すると長女は走るのをやめ、友だちのもとに駆け寄り、手を引き、起き上がらせ、二人で一緒に走り出したそうです。
二人の姿をみて、生徒も、父兄も、二人に大きな声援を送りました。
そしていよいよゴールのとき、長女は、友だちの肩をポンと押して、自分より先に友だちをゴールさせたというのです。