2014年8月3日日曜日

研究倫理教育の実践

このたび、文部科学省では、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」(平成26年2月改正)の周知徹底を図るべく、その内容を取りまとめたコンテンツを制作、公表しました。各研究機関における効果的な活用が求められています。


「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」に係るコンプライアンス教育用コンテンツ(文部科学省)

文部科学省では、各機関が公的研究費を適正に管理するために必要な事項を示すことを目的として、平成19年2月に「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」を策定・運用してきました。

しかし、昨今、不正事案が社会問題として大きく取り上げられる事態となったことを受け、従前のガイドラインの記述の具体化・明確化を図り、平成26年2月に本ガイドラインを改正いたしました。

この度、改正したガイドラインに定められている事項のうち、国として公的研究費の管理監査の観点から、各機関に共通する内容を取りまとめたコンテンツを制作いたしました。

本コンテンツを各機関のコンプライアンス教育に活用するなどにより、研究費の管理・監査体制の構築に役立ててください。

なお、本コンテンツは、ガイドラインの内容の主要な事項を全て網羅するため、研究者向けと管理者向けそれぞれ1時間程度で作成しています。

したがって、各機関においては、構成員に特に周知を図る必要がある箇所や、各機関におけるコンプライアンス教育内容と重複する箇所などを考慮し、例えば、コンテンツの一部を省略し、特に必要と判断する箇所を活用(印刷用PDFの利用も含む)するなど、効果的に活用いただきますようお願いいたします。


管理者向け

Section1 研究費制度の概要
Section2 ガイドラインの要請事項(1)~不正防止の取組~
Section3 不正の基礎知識と事例紹介等
Section4 ガイドラインの要請事項(2)~不正発覚後の対応~
Section5 ガイドラインに関する質問と回答



【印刷用】研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインについて(管理者向け) 


研究者向け

Section1 研究費制度の概要
Section2 ガイドラインの要請事項(1)~不正防止の取組~
Section3 不正の基礎知識と事例紹介等
Section4 ガイドラインの要請事項(2)~不正発覚後の対応~
Section5 ガイドラインに関する質問と回答



【印刷用】研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインについて(研究者向け) 


(参考)競争的資金の不正な使用に関して返還命令及び応募制限措置等を行った事例

各研究機関における不正防止対策の実施に当たっては、過去の不正事例も参考にしつつ、各機
関におけるリスクを考慮した上で実施してください。

平成20年度~平成24年度における競争的資金の不正な使用に関して返還命令及び応募制限措置等を行った事例(平成25年3月31日現在)


研究活動における不正行為の防止については、平成26年7月3日から8月1日まで、文部科学省により、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」案のパブリックコメントが実施されました。

このガイドラインは、平成27年4月1日から適用が予定されており、第3節「研究活動における不正行為への対応」及び第4節「特定不正行為等の違反に対する措置」については、平成27年度当初予算以降(継続を含む)における文部科学省の予算の配分又は措置により行われる全ての研究活動が対象とされています。

また、平成27年3月31日までがガイドラインの適用のための集中改革期間とされ、関係機関において実効性のある運用に向けた準備を集中的に進めることが求められています。


なお、このたびのガイドラインの改正では、不正を事前に防止する取組の一つとして「研究倫理教育の着実な実施」が求められています。

現在、その一助となる取組みとして、日本学術会議、日本学術振興会、科学技術振興機構などが協力して、「研究倫理教育プログラム」(教材)の開発が進められています。

研究倫理教育については、既に、文部科学省の「大学間連携共同教育推進事業-研究者育成の為の行動規範教育の標準化と教育システムの全国展開」において、「CITI Japan プロジェクト」(倫理教育について6大学が提携し、e-learningを活用したカリキュラムを通して、大学院生に倫理教育の重要さを広げていくプロジェクト)が進められており、この事業のノウハウが活かされるものと思われます。