2021年6月12日土曜日

教育再生実行会議提言「ポストコロナ期における新たな学びの在り方について」

6月3日、政府の「教育再生実行会議」が開催され、座長から、「ポストコロナ期における新たな学びの在り方について」(第十二次提言)が菅総理に手渡された。

本文・参考資料

大学関連(抜粋)

2 ニューノーマルにおける高等教育の姿、国際戦略と実現のための方策

(1)ニューノーマルにおける高等教育の姿

① 遠隔・オンライン教育の推進

  • 大学等は、デジタル技術を活用した遠隔・オンライン教育の進展も踏まえ、学修者本位の教育の実現、学生の学びの質の向上、STEAM人材や地域社会の担い手の育成を図る観点から、次のような取組を積極的に進める。国は、こうした大学の取組を支援し、高等教育のDXを迅速かつ強力に推進する。

▷遠隔・オンラインでの事前学修をもとに対面で演習を中心に意見交換を行う反転授業や同じ授業を対面とオンラインとで同時に行う授業、オンラインと地域実践学修を組み合わせた教育プログラムなど、面接授業と遠隔・オンライン授業を効果的に組み合わせたハイブリッド型の教育の実施

▷LMSの活用により、学生の学修内容や理解度をデータとして可視化し、これを利用した学生個人に応じた教育の実施(学生の理解度に応じた授業の工夫や、より体系化されたカリキュラム編成の促進、学生の学修履歴を踏まえた履修指導など)

▷バーチャル・リアリティ(VR)等を活用した効果的な実験・実習・臨床教育の導入

▷オンライン環境下での試験実施方法の開発など、新たな学修評価方法の開発

▷遠隔・オンライン教育を含む大学教育の質の向上のためのファカルティ・ディベロップメント(FD)、スタッフ・ディベロップメント(SD)の充実・高度化

  • 国は、大学等が設置者の枠組みを超えて遠隔・オンライン教育等のリソースを共有・有効活用し、学生の多様な学修ニーズにきめ細かに対応できるよう、大学等連携推進法人の活用や大学コンソーシアム・大学間連携などの取組を通じた単位互換制度の活用、MOOKの戦略的な活用を促す。また、大学等はこれらのリソースを国内外に向けて積極的に公開する。
  • 国は、高等教育のDXに向けたアイデアを募集し、公開イベントでの提案やコミュニティの形成を通じて、デジタル技術を用いて授業等を改善する機運の醸成、教育にエフォートを割く教員の奨励、社会の高等教育への参画を促すとともに、デジタル技術を活用した授業等改善の知見の蓄積・共有を図る。
  • 国は、遠隔・オンライン教育の単位数上限(60単位)算定の考え方の明確化を図り、周知する。また、国や大学等は、遠隔・オンライン教育がどのような属性の学生に対してどのような効果があるのか、どのような授業に適しているのか、面接授業との効果的な組み合わせの在り方はどのようなものかなどについて、学修者のニーズや質保証の観点も踏まえながら検証・評価を行い、遠隔・オンライン教育の単位修得の柔軟化を速やかに検討する。
  • 国は、ニューノーマルにおける大学等の姿を実現するための仕組みを構築する観点から、遠隔・オンライン教育の単位修得の柔軟化の検討と併せて、通学制と通信制の区分を含めた大学設置基準の在り方や設置認可制度、認証評価制度の見直しなど、時代に即した質保証システムの在り方について見直しに向けた検討を速やかに行う。その際、教育施設の在り方についても、大学教育の質保証の観点も踏まえて検討する。

② 教学の改善等を通じた質の保証

  • 大学は、「出口における質保証」を考える上で、大学教育の成果の把握、評価・検証が重要であることから、卒業認定・学位授与の方針、教育課程編成・実施の方針、入学者受入れの方針(以下「3つの方針」という)に基づく体系的で組織的な大学教育を展開し、「教学マネジメント指針」に基づき、3つの方針を通じた学修目標の具体化、次のような教学の改善・改革を行うとともに、大学教育の成果や効果ある教育実践等について周知等を図る。

▷学生の学修目標及び卒業生に最低限備わっているべき能力の保証として機能するよう、「卒業認定・学位授与の方針」の具体的かつ明確な設定

▷密度の高い主体的な学修を可能とする前提としての授業科目の精選・統合、学生が同時に履修する授業科目数の絞り込み

▷複数の情報を組み合わせて、学修成果・教育成果を多元的に把握・可視化

▷学修成果・教育成果の把握・可視化の前提として、各大学の学生の成績分布の公表などを通じた成績評価の信頼性の確保

▷FD及びSDを通じた教職員の能力向上や教育改善活動の進展

▷教育成果や教学に係る取組状況などの大学の質に関する情報や「全国学生調査」等を通じた学生の成長実感など学びの実態に関する情報の積極的な公表

  • 国は、各大学の教育改善、我が国の大学に対する社会の理解の促進や政策立案に際しての基礎資料として活用するため、「全国学生調査」の本格実施に向けた調査設計の改善や課題の整理を進める。
  • 国は、教育行政の改善を目的とした研究における行政データの利活用に向けて一層の環境整備に努めるほか、データ貸与の改善による研究へのフィードバックの効率化を図る。

③ 学びの複線化・多様化

  • 国は、WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築の早期実現を図り、高等学校と大学等とが連携した先取り履修などの学習プログラム等を開発し、全ての高校生がオンライン・オフラインで参加可能とする。(一部再掲)
  • 国は、飛び入学した大学での一定の単位の修得状況をもとに、高等学校の3年間の課程を修了した者と「同等以上の学力」を有することを文部科学大臣が認定し、高等学校卒業資格を付与する制度を創設する。(再掲)
  • 国は、大学等が高校生を対象として行う遠隔・オンラインも活用した教育機会の提供を促進する。また、高校生が大学の授業科目を履修し、その後、当該大学に入学した場合には、当該大学において卒業単位として認められる先取り履修の活用を図るため、修業年限の柔軟化が可能となるよう制度改正を行うとともに、大学は、他大学で修得した単位についても、当該大学の教育課程の一部に相当し教育上有益と判断する場合には、単位互換を認めることができる旨を周知する。
  • 大学等は、多様な学修ニーズへの対応や「出口における質保証」の観点から、通信制課程において、特に遠隔・オンライン教育を積極的に活用する。国は、通信制課程において遠隔・オンライン教育の単位数上限がないことを周知するなど、遠隔・オンライン教育の活用を促進する。また、現在は通信制課程を置いていない大学においても、コロナ禍において蓄積された知見・ノウハウを生かして、遠隔・オンライン教育による新たなカリキュラムの開発・実施を検討する。
  • 国は、社会・経済活動のニーズに対応したリカレント教育を推進する観点から、大学院における高度な専門教育に関し、遠隔・オンライン教育の積極的な活用や個別の単位に分けて学修するマイクロクレデンシャル(micro credential)の提供など、より多くの人がアクセスしやすい取組を促進する。その際、履修単位を積み重ねることにより学位が取得できるような柔軟な仕組みの在り方や国際通用性の確保などについて検討を進める。
  • 大学等は、誰もがいくつになっても新たなチャレンジができる社会を構築するため、社会人や企業のニーズに応じた実践的・専門的な教育プログラムの提供や中退者等の再入学希望に対する柔軟な対応を推進するとともに、長期履修制度に係る解釈の明示化・周知等を通じて、多様な学修者の学びを促進する。国は、社会人の学び直しを含む実践的な教育を支える実務家教員を育成・活用するシステムの構築や、多様な学修者が学びに関する情報に容易に接触できる機会を確保する。
  • 専門学校は、職種転換を考えている人などへの教育機会の提供として、短期の学びを中心としたリカレント教育プログラムの開発を行う。また、高等学校教育と専門学校教育の連携・接続の取組の促進や地域等での産学連携による職業教育機能の強化など、地域社会や産業界のニーズに応じた教育プログラムの開発を行う。国は、こうした取組を支援するとともに、専門学校の魅力ある取組の情報発信を更に推進する。
  • また、国は、高等教育機関の連携を促進し、社会や経済ニーズに対応した教育プログラムの提供を推進する。
  • 国は、生涯学習の一環であるリカレント教育を振興し、個人の学びを促進する。社会人がリカレント教育を受講しやすいように、eラーニングの活用などを含め、有効と考えられる講座の認定や体系化等、高等教育機関等へのインセンティブ設計を行う。また、リカレント教育の社会人受講者数のほか、その教育効果や社会への影響を評価できる指標の開発を進める。産業界は、高等教育機関における学び直しの促進に向けたインセンティブとなる評価体系や人事制度の整備を進めていくことが求められる。
  • 国は、AIと他分野を融合して課題解決につなげる人材育成体制の構築、防災・減災・防疫に関する教育研究の新たな実施など、社会的ニーズに対応した人材を育成するための高等専門学校教育の高度化を推進する。

④ デジタル化への対応(学務・教務等のデジタル化、デジタル化を担う人材の育成)

  • 大学等は、学修歴証明書のデジタル化に関する実証実験等を行う。国は、これらの実証実験等を踏まえつつ、学修歴証明書のデジタル化を普及・定着させるため、周知や活用促進を図る。
  • 大学等は、LMSの活用により、学生の学修内容や理解度をデータとして可視化し、これを利用した学生個人に応じた教育(学生の理解度に応じた授業の工夫や、より体系化されたカリキュラムの編成の促進、学生の学修履歴を踏まえた履修指導など)等の取組を実施する。国は、こうした大学の取組を支援し、高等教育のDXを迅速かつ強力に推進する。(一部再掲)
  • 大学等は、学内のDXを推進し、教育の質の向上を図る観点から、FD・SDの充実・高度化に取り組む。
  • 国は、全ての学生が、文系・理系の垣根なくデジタル時代の「読み・書き・そろばん」である数理・データサイエンス・AIの基礎などの必要な力を身に付けることができるよう、全学的な数理・データサイエンス・AI教育の教材等の開発、教育に活用可能な社会の実課題・実データの収集・整備等の実施を支援し、全国の大学等への普及・展開を図るとともに、教える側の体制強化を図る。また、私立大学等における数理・データサイエンス・AI教育の充実のための支援を行う。
  • 国は、大学等において、数理・データサイエンス・AIの知識を様々な専門分野へ応用・活用できる教育プログラムが機動的に展開されるよう、産業界と連携し、AI×専門分野やデータの社会実装を進めるための高度専門人材を育成する教育を推進する。また、学部等連携課程の周知や活用促進を図る。
  • 国は、数理・データサイエンス・AIに関する学修成果が社会で評価されるよう、「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」の周知・広報を行い、大学等の認定取得を促進するとともに、AI社会課題等を解決できる実践力の修得を目指した教育プログラムの認定制度(応用基礎レベル)を創設する。

⑤ 学生等への支援の充実

  • 国・高等教育機関は、意欲と能力のある者に高等教育機関への学びの機会が確保されるよう、高等教育の修学支援新制度や日本学生支援機構の奨学金事業(自治体や企業による返還支援制度を含む)等について一層の周知・広報を行う。
  • 国は、今後、感染症や災害等による家計急変世帯やアルバイト収入の減少に対する奨学金等の支援が常態化していく可能性があることを踏まえ、高等教育無償化等の実施状況の検証を行い、中間所得層における高等教育機関へのアクセス状況等を見極めつつ、その機会均等について検討する。
  • 国は、新型コロナウイルス感染症が就職活動に及ぼしている影響を踏まえ、新卒応援ハローワークの支援対象に3年以内の既卒者も含まれることについて更なる周知・広報を行うとともに、大学のキャリアセンター等との連携を強化し、就職支援ナビゲーターの定期的な大学等訪問、未内定・内定取消にあった学生等へのきめ細かな支援など、新卒者等への就職支援の一層の充実を図る。
  • 国は、障害のある学生に対する各大学等の修学・就労支援体制の整備を促進するとともに、大学等と関係機関の連携を促進し、障害のある学生の修学を支援する。
  • 国は、特別研究員制度の充実、日本学生支援機構奨学金(業績優秀者返還免除)や各大学の大学院生に対する授業料減免による継続的な支援、大学ファンドの運用益の活用やそれに先駆けた博士後期課程学生への支援を強化する取組等を進める。
  • 国や大学は、博士後期課程学生がリサーチアシスタント(RA)として働く場合、競争的研究費や共同研究費から適正な水準で給与が支給されるよう、RAの雇用・謝金に係るRA経費の支出ルールを策定し、実施する。
  • 国は、博士後期課程学生の処遇向上のため、学内フェローシップと博士課程修了後のキャリアパスの確保を一体として実施する大学を支援する。

⑥ 施設・設備の整備の推進

  • 国は、国立大学法人等(国立大学法人、大学共同利用機関法人及び国立高等専門学校を指す)の施設について、教育研究施設だけでなく食堂や寮、屋外空間等も含めキャンパス全体が有機的に連携し、様々な分野や場面で、学内外の多様な人材が積極的に関わりながら共創できる拠点としての「イノベーション・コモンズ(共創拠点)」の実現を目指して、「第5次国立大学法人等施設整備5か年計画」に基づき、継続的な支援を行う。国立大学法人等は、戦略的な施設整備や施設マネジメント等を通じて、計画的・重点的な施設整備を進める。
  • 国は、私立大学等の個性・特色を生かした教育研究の基盤となる設備・装置や、面接授業や遠隔授業実施の基盤となる構内LANの整備等に対する支援を行う。
  • 地方公共団体は、大学等のキャンパスの意義を踏まえ、公立大学等における地方創生の推進や地域人材の担い手育成の観点から、教育研究活動の基盤となる施設・設備の整備を進める。

(2)グローバルな視点での新たな高等教育の国際戦略

① グローバル化に対応した教育環境の実現、学生のグローバル対応力の育成

  • 国は、世界トップレベル大学との交流、人事・教務システムの改革などの体質改善、学生のグローバル対応力育成のための体制強化など、徹底した国際化に取り組む大学を重点的に支援する。
  • 国は、大学教育のグローバル展開力の強化を図るため、我が国にとって戦略的に重要な地域・大学との質保証を伴った国際連携・学生交流等を推進する。具体的には、単位の相互認定や成績管理、学位授与等、教育交流プログラムの開発・実施を行う大学を支援する。その際、COILプログラムの開発・実施など、遠隔・オンライン教育も活用した大学間交流を積極的に支援する。
  • 国は、大学が国内外の協定大学との間で、質保証を伴う遠隔・オンライン教育のリソースを相互に提供するシステム作りを支援し、学生等が自国にいながら授業を履修し、教員は世界に対し発信することを促進する。
  • 国は、JDの更なる拡大に向けて、開設に係る設置手続きの見直し、複数大学の参加を促進するための各参加大学における最低修得単位数の縮減、より優秀な留学生の獲得に資する方策など、質を担保した上での推進方策について検討を行う。
  • 国は、高校生段階からの留学生交流が新型コロナウイルス感染症の影響を受けている場合、その継続や再開に向けた取組等を支援し、日本人学生・生徒が海外留学を継続できるよう必要な支援を行う。
  • 官民協働の海外留学創出プロジェクト「トビタテ!留学JAPAN」については、令和4年度以降の後継事業に向けた取組を推進するとともに、社会総掛かりで若者の海外留学の機運を醸成し、日本人学生のグローバル人材育成を強力に推進する。具体的には、高等学校段階からの海外留学機会の充実による国際性の涵養や、留学成果を定着させるための取組の推進、帰国した日本人留学生の活躍機会の促進等を通じ、多くの若者が海外留学を志すようになる好循環を形成する。
  • 国は、諸外国のニーズを踏まえた高等専門学校の海外展開や高専教育の高度化・質保証のための国際標準化を推進するとともに、海外インターンシップや単位互換協定校への留学等を推進する体制の構築を支援し、高等専門学校の国際化を推進する。
  • 国は、世界的な人材獲得競争や、コロナ禍で拡大した遠隔・オンライン教育による国際交流等も踏まえ、ポストコロナ期を見据えた質の高い国際流動性を実現していくため、より具体的かつ戦略的な目標の設定に向けた検討を行う。

② 優秀な外国人留学生の戦略的な獲得

  • 国や大学は、海外の優秀な留学生の獲得に向けて、世界の大学やインターナショナルスクールを含む現地の教育機関等に対して、日本の強みや魅力ある教育などの情報発信を進めるとともに、大学は、世界のインターナショナルスクールが加盟するIBDPやAS&A Levelの卒業成績を用いた特別入試の実施などの活用など、効果的な取組を導入する。
  • 国は、大学による責任をもった適切な在籍管理を前提としつつ、優秀な留学生の獲得に向けて、大学の戦略に応じた柔軟な運用が可能となるよう、留学生の受入方策を検討する。特に、頭脳循環の拠点となる大学において優秀な外国人留学生の獲得に資する制度の在り方等を速やかに検討する。
  • 国は、COILプログラムなどオンラインによる学修も契機として、実際に訪日して学ぶ外国人留学生が安心して勉学に専念できる環境を整備するため、大学等における日本語教育の充実や地域・企業等との交流、生活支援等の取組を促進する。大学等は、日本語教育機関や地方公共団体等とも連携して、日本語教育機会の充実、日本人学生や地域住民との交流機会の提供等を行うとともに、居住・生活等に関する相談体制の充実を図る。
  • 国は、優秀な外国人留学生が卒業後も我が国に定着して活躍できるよう、大学等において企業等と連携した日本語教育やキャリア教育、インターンシップ等を一体として提供する取組を促進する。また、外国人雇用サービスセンター等による就職支援を実施するとともに、外国人が働きやすい職場環境の整備促進に向けて高等教育機関に必要な情報を周知する。企業は受入環境を整備し、優秀な外国人留学生の採用を積極的に行う。
  • 国及び大学等は、外国人留学生が帰国後も親日人材として人的ネットワークを維持・強化して活躍できるよう、帰国留学生会の活動支援や帰国後のフォローアップの充実を図る。

③ 学事暦・修業年限の多様化・柔軟化と社会との接続の在り方

  • 大学等は、国際化を通じた教育研究力の向上やキャリアパスに応じた多様な学びの実現の観点から、秋季入学や4学期制など学事暦・修業年限の多様化・柔軟化を図る。その際、多様な履修モデルの提供に加え、入学者選抜の方法や授業料の設定・徴収の在り方についても、教育の質保証の在り方と併せて必要な検討・対応を行う。
  • 国は、大学等の国際化やリカレント教育など学びの多様化に対応した学事暦・修業年限の多様化・柔軟化を進める観点から、大学等の早期卒業・修了制度に係る解釈の明示化・周知、ギャップタームの取組成果の普及促進、定員の設定・管理の在り方や授業料の設定・徴収の在り方に係る考え方の整理など必要な支援を行う。
  • 大学は、学生が身に付けたスキル・資質・能力の明確化や、卒業・成績要件の厳格化、学生の学修時間の増加などの授業の実質化等の質保証の取組を行うとともに、学生のダブルメジャーの促進など、国際通用性を見据えた取組を進める。
  • また、国においては、新たな大学入学者選抜の在り方を明確に示すことにより、各大学において、春秋の入学時期を問わず、選抜区分の特性に応じたより多面的・総合的な選抜方法への転換を促進していくことが望まれる。
  • 産業界は、企業の採用・雇用の多様化・複線化が進展しつつある状況を踏まえ、これを更に推進する。また、大学や学生だけでなく広く社会に対して、学修成果(ディプロマ・サプリメントや学修ポートフォリオなど)を重視した採用選考活動の実施、オンラインによる企業説明会や面接・試験の実施、秋採用・最終学年6月以降の通年採用などによる一層の募集機会の提供等、採用選考に関する情報発信等が求められる。
  • 国、大学、産業界は、ジョブ型採用を見据えたインターンシップの先行的・試行的実施の状況等も踏まえて、引き続き、学生・大学及び企業にとってより多くの成果をもたらすインターンシップの在り方や、社会が大学等における学修成果を評価する採用選考活動の在り方を検討する。

3 教育と社会全体の連携による学びの充実のための方策

(1)大学等における入学・卒業時期の多様化・柔軟化の推進

  • 大学等は、国際化を通じた教育研究力の向上やキャリアパスに応じた多様な学びの実現の観点から、秋季入学や4学期制など学事暦・修業年限の多様化・柔軟化を図る。その際、多様な履修モデルの提供に加え、入学者選抜の方法や授業料の設定・徴収の在り方についても、教育の質保証の在り方と併せて必要な検討・対応を行う。(再掲)
  • 国は、大学等の国際化やリカレント教育など学びの多様化に対応した学事暦・修業年限の多様化・柔軟化を進める観点から、大学等の早期卒業・修了制度に係る解釈の明示化・周知、ギャップタームの取組成果の普及促進、定員の設定・管理の在り方や授業料の設定・徴収の在り方に係る考え方の整理など必要な支援を行う。(再掲)
  • 産業界は、企業の採用・雇用の多様化・複線化が進展しつつある状況を踏まえ、これを更に推進する。また、大学や学生だけでなく広く社会に対して、学修成果(ディプロマ・サプリメントや学修ポートフォリオなど)を重視した採用選考活動の実施、オンラインによる企業説明会や面接・試験の実施、秋採用・最終学年6月以降の通年採用などによる一層の募集機会の提供等、採用選考に関する情報発信等が求められる。(再掲)
  • 国は、飛び入学した大学での一定の単位の修得状況をもとに、高等学校の3年間の課程を修了した者と「同等以上の学力」を有することを文部科学大臣が認定し、高等学校卒業資格を付与する制度を創設する。(再掲)
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