人はいいときばかりではなく、不遇の時代もある。
山もあれば、谷もある。
だが、大事なのは、その「谷」の不遇の時代をどう過ごすかだ。
不平不満を言って、まわりや環境のせいにして過ごすのか、それともそれを、自分を磨いてくれる「砥石(といし)」と考えるか、だ。
これは、人生の晩年においても同じことが言える。
晩年に、仕事を段々と手じまいし、下り坂を降りてくるとき。
その下り坂をどう生きるか、ということでもある。
どんなすぐれた包丁も、砥石で研がなければ、いつかは切れなくなる。
谷や下り坂という、不遇の時は、勝負を投げず、じっと我慢して自分の実力をたくわえるとき。
辛い不遇の時代は、飛躍の下地をつくってくれる。
「実力を蓄える」という言葉を胸に刻みたい。