何百年も続く老舗を観察すると、共通のものがあるように思える。
一つは創業の理念を大事にしていること。
その時代その時代のトップが常に創業の理念に命を吹き込み、その理念を核に時代の変化を先取りしている。
二つは情熱である。
永続企業は社長から社員の末端までが目標に向け、情熱を共有している。
三つは謙虚。
慢心、傲慢こそ企業発展の妨げになることを熟知し、 きつく戒めている。
四つは誠実。
誠のない企業が発展した験(ためし)はない。
いずれも不易の基をなすものである。
「棒高跳びのバーは常にあげられてゆく これを超えねば競争場裡より去らねばならぬ」
経営難に陥っていた東芝を建て直し、その後経団連の会長になった土光敏夫氏の言葉だ。
時代の変化という、バーの高さに対応できなければ、会社の存続はできない。
変えなければならないことと、変えてはいけないこと。
これはまた、人生でも同じだ。
「不易流行は人生の原理」という言葉を胸に刻みたい。