『偉大なものは突然生まれない。
一房のブドウや一玉のイチジクであっても、いきなり実ることはない。
いま「イチジクがほしい」と言われたら、わたしは「それには時間が必要だ」と答える。
まずはイチジクの花を咲かせ、次に果実をつけさせ、さらにそれを熟させる。
イチジクの果実ですら、ほんの一時間で熟すことはないというのに、それでもなお、それほど短い時間で、それほど簡単に、思考の果実を手に入れようというのか?』(エピクテトス/語録)
エピクテトスは古代ギリシャのストア派の哲学者だ。
ストア派の本の中でももっとも広く読まれ、影響力があると言われている。
奴隷階級の出身だったが、のちに解放され、哲学の学校を開いた。
何らかの果実を得ようとするならば、長期にわたる継続的な努力が必要だ。
まさに「魔法の万能薬は存在しない」ということだ。
毎日1つずつ、倦(う)まずたゆまず、コツコツと努力を重ねること。
積み重ねという「継続」こそが、果実を手に入れる唯一の道。
「魔法の万能薬は存在しない」という言葉を胸に刻みたい。