2010年1月13日水曜日

入学者選抜と経済支援

去る1月8日(金曜日)、東京・学士会館において、国立大学協会主催の国立大学長等懇談会が開催されました。議事は、前回ご紹介した国立大学関係予算案についての文部科学省からの説明が主たる内容でしたが、そのほかにも、国立大学を取り巻く状況に関連し、1)いよいよ今週末となった大学入試センター試験や、個別学力検査の円滑な実施への万全の対応、2)依然として厳しい経済状況を踏まえ、経済的支援を必要とする学生等に対する支援策の周知ときめ細かな対応が要請されました。

配付された資料から抜粋してご紹介します。

平成22年度大学入学者選抜について(要請)

平成22年度大学入学者選抜については、以下の点にご留意いただき、大学入試センター試験及び個別学力検査の円滑な実施に万全を期すようお願いします。

1 大学入試センター試験の円滑な実施について

大学入試センター試験は、各大学と大学入試センターが業務を分担し、それぞれ責任を持って共同して実施するものです。平成22年度大学入試センター試験についても、円滑な実施に向け遺漏のないよう関係職員に対しご指導等よろしくお願いします。特に、英語リスニングについては、今回から新しいICプレーヤーを使用することとなっており、従来以上に周到な対応が求められますので、諸準備に万全を期すよう、格段の配慮をお願いします。

2 新型インフルエンザの対策について

平成21年10月8日付け21文科高第172号「平成22年度大学入学者選抜に係る新型インフルエンザ対応方針」について(通知)」で、大学入試センター及び各大学へ受験機会の確保措置等について検討するよう要請したところです。
各大学においては、大学入試センター試験当日の各試験会場における衛生管理体制の構築に向けて、万全な対応をお願いします。また、今年度は迫再試験を本試験の2週間後に全都道府県で実施することとしており、各大学には多大な負担をかけることとなりますが、趣旨をご理解の上、ご協力をお願いします。
各大学の個別試験においては、既に対応を決定した大学の多くは何らかの確保措置を講じていただいており、御礼申し上げます。まだ対応を決定していない大学については、引き続き、検討をよろしくお願いします。

3 出題・合否判定ミスの再発防止について

平成21年12月8日付け21大振第49号「大学入学者選抜における出題・合否判定ミス等の再発防止について(通知)」で既に周知しているところですが、入試時期本番を迎え、各大学におかれては、出題・合否判定ミス等がないよう再度通知の趣旨にご留意いただき、入学者選抜の円滑な実施に万全を期すようお願いします。

(参考)
大学入試ミス増加・・・昨季283件、私大は6年で2.6倍に(2010年1月13日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/university/examination/20100113-OYO8T00997.htm

大分大が前期入試出願書類で記載ミス(2010年1月13日 西日本新聞)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/145772


経済的理由により修学困難な学生等に対する支援策の周知について(通知)

このことについては、平成21年2月25日付け20文科高第881号で通知しているところですが、現下の経済状況は依然として厳しい状況にあります。

経済的理由により修学困難な学生等に対しては、既に各大学等において授業料減免や奨学金等の支援策を実施されていると承知していますが、支援を必要とする学生等やその保護者がそれらを活用できるよう、各大学等が実施している授業料減免や奨学金等の具体的内容及び利用方法について、学生等やその保護者への周知を図るよう、よろしくお願いします。

特に、入学料等初年度納付金については、経済的理由により納付困難な学生等に対しては納付時期の猶予など弾力的な取扱いを図り、大学等で学ぶ意欲のある学生等が経済的理由により修学を断念することがないよう、配慮をお願いします。

また、独立行政法人日本学生支援機構が実施している奨学金事業において、入学の際に一時金として貸与する入学時特別増額貸与奨学金については、その活用について学生等に周知するとともに、同奨学金が交付されるまで入学金等の納付時期を猶予するなど、きめ細かい対応をお願いします。