2010年が明けて最初の1週間が過ぎましたが、皆さんそれぞれ誓いや目標を立てて生活や仕事をスタートされたのではないかと思います。私も今年1年、楽しく、愚直に様々なことに取り組んでいきたいと思っています。
今年いただいた年賀状を眺めてみると、「日本はこれからどうなるのか」「大学はこれからどうなるのか」といったキーワードが目立っていたような気がします。我が国では昨年劇的な政権交代が行われました。しかし不安定で先行き不透明な政権運営に国民の多くは不安を抱えています。景気低迷の影響も国民生活にずしんずしんと響いてきています。大学経営を取り巻く状況も更に厳しさを増すことになるでしょう。
去る5日(火曜日)の新聞に、官房長官が年頭の訓辞を行うために各府省の事務次官を招集した際、出席者から各府省の政務三役(大臣・副大臣・政務官)の政策決定の在り方に対する不満が出されたそうです。
政治主導を標榜し、これまで様々な行政システムを変え今後とも変えようとしている鳩山政権ですが、「今までのやり方と違う、意欲を持ってやっているが政務三役の指示が遅い、(官僚の)士気が下がっている」など、各府省の政務三役の力量不足が指摘されているようです。
確かに、文部科学省に勤める知人などから聴く話によれば、政策は何事につけても政務三役で決め実行することが基本となっているために、その下で働く職員に日頃から情報が降りてこず、政務三役が何を考えているのかがよくわからない、従来であれば、権限が委譲され任されていたような小さなことまで、政務三役の目を通す、判断を仰ぐことが激増しているといった状況のようで、鳩山政権は、これから副大臣、政務官をさらに増やすようですから、各府省では、事務次官の権限がさらに骨抜きにされるでしょうし、明日の見えない行政が続いていくことになるのでしょう。
財務省に勤務する知人の今年の年賀状にはこう書かれてありました。「政権交代への期待も空しく、国・地方の借金は更に積み上がり860兆円。そんなために命を摩り減らして働いているんじゃないと思いつつ、早く人間らしい生活を送りたいと今日も朝帰りの日々です。」
政権交代とは何か、それは果たして国民に希望や夢や幸せをもたらしたのか。今年は、鳩山政権が試される年、そして、国民に成果を具体的に説明する年ではないでしょうか。