2014年1月20日月曜日

人間的な人間

ブログ「人の心に灯をともす」からマイナスを活かす生き方」(2014年1月19日)をご紹介します。


岡本太郎氏の心に響く言葉より…

自分は内向的な性格で、うまく話もできないし、友人もできないと悩んでいる人が多い。
だが、内向的であることは決して悪いことではない。
そう思い込んでこだわっているから暗くなり、余計、内向的にしているんじゃないだろうか。

内向的ということをマイナスと考えたり、恥じちゃいけない。
生きるということを真剣に考えれば、人間は内向的にならざるを得ないのだ。

また逆に、自分が内向的なために、かえって外に突き出してくる人もいる。
だから内向的であると同時に外向的であるわけだ。

これが本当に人間的な人間なのだ。
歴史的にみて、英雄とか巨(おお)きな仕事をした人は、みんな内向性と外向性を強烈に活かしている。

たとえば、もって生まれた性格は、たとえ不便でも、かけがえのないその人のアイデンティティなんだから、内向性なら自分は内向性なんだと、平気でいればいい。
内向性の性格は悪いことだと思っているから、ますます内向的になってしまう。

人間だから、誰でもが内向性をもっているんだ。
いくら派手にみえる人間だって内向性をもっている。
内向性で結構だと思えば、逆に内向性がひらいていく。

内気な人の表現力が、派手にチャカチャカふるまう人より強い印象を与えることもある。
口ベタの説得力ってものもある。
平気でやれば、逆にひろがる精神状況が生まれてくる。

自分は気が弱い、怒れない人間だと、むしろ腹を決めてしまうほうが、ゆったりして、人からその存在が逆に重く見えてくるかもしれない。
もっと極端なことをいえば、強くならなくていいんだと思って、ありのままの姿勢をつらぬいていけば、それが強さになると思う。
静かな人間でそのまま押し通すことが、逆に認められるし、信用されるということは十分あり得る。


自分の性格を変えようと努力するのも大事だが、逆にその性格を変えずに活かす、という方法もある。
むしろ、成功した人は自分の欠点や短所を直そうとせず、自身のキャラクターとして強烈に印象付けている人は多い。

始終、明るく愚痴を言ったり、嘆いたりしている人が大成功した例もある。
愚痴も暗く言わなければネタになるからだ。

技術系から営業になったしゃべるのが不得意な人が、トップセールスマンになってしまった、という話は多い。
むしろ立て板に水の薄っぺらな営業マンは、何か胡散臭(うさんくさ)くて、信用されない。

常に物事には裏表がある。
外向的に見える人も、内向的な面を持っている。
嘆き節の一見弱々しい人も、心の底には絶対に負けないという強さを秘めているかもしれない。
しゃべるのが不得意の人は、聞く事が上手。

自ら欠点や短所を、強みにする努力をしてみたい。