米軍機オスプレイの飛行再開、辺野古埋め立てを認めた最高裁……。寒々としたニュースが続いている。「政ログイン前の続き府には県民に寄り添う姿勢が全く見えない」。米軍北部訓練場の返還式を欠席した翁長雄志(おながたけし)知事の言葉だ。
当地にいた10年ほど前を思い出す。「米軍ヘリ墜落」の一報で沖縄国際大へ着くと、まだ黒煙があがっていた。米軍の規制線で、地元市長も構内に入れない。その傍ら、米兵の注文を受けたピザの配達人は出入りを許される。
今回のオスプレイの事故現場では、ちぎれた機体が波に洗われていた。規制線は日米管理に改められた。だが稲嶺進(いなみねすすむ)・名護市長は入れない。機体を回収した米兵の一部は、集合写真に興じた。
目を疑う光景、と書くと少し違う。ああまたコレだね、とため息をつく沖縄の人が目に浮かぶ。若宮健嗣(わかみやけんじ)・防衛副大臣は現場に近づかず、1キロほど離れた砂浜から双眼鏡で「視察」した。政府が機嫌をうかがうのは、いつも海の向こうの米国だ。
「日本にとって沖縄とは何だ。同じ日本の国民なんだぞ」。沖縄からの変わらぬ訴えである。日本は広い。だから声が届かないのだろうか。面倒そうなメールを「既読」にし、中身をちらと見ただけで放っておく。そんな趣が本土にはある。