まだまだもっと研究者の皆様へ 2016-12-15
お寄せいただいた大学のローカルルールを基に、会計検査院や文科省と打ち合わせをしました。
まず、会計検査院に関していえば、ほとんどの大学のローカルルールは会計検査院的には不要なものであり(航空券の半券を添付するあるいはコンプライアンス研修を年一回受講するなどというものを除いて)、会計検査院としては求めていないということが明確になりました。
そこで文科省と打ち合わせをしました。
まず、文科省が、こうした大学のローカルルールの存在に気が付いていないということが大きな問題だと指摘しました。
研究効率を落としているローカルルールをいかになくしていくか、文科省が改善するためのプログラムを早急に策定します。
大学の事務部門の幹部は国立大学法人化した後も引き続き文科省が人事権を行使しています。
しかし、事務部門に関してはパフォーマンスで評価するということがこれまでなかったため、不合理非効率的な規則を作成して、研究部門の効率を落としても咎められませんでした。
事務部門のパフォーマンスをきちんと評価して、人事に反映していくシステムを、これも文科省が策定します。
また、寄せられたなかにあった文科省が管理するプロジェクトで購入した備品を返納するために、修理不能証明書が必要だという件については、すでに文科省の方でルール変更を進めています。
近々通知が出される予定です。
参考までに、もう一つご紹介します。
行政改革推進本部 行政事業レビューチーム 提言 2016-12-14
自民党の行政改革推進本部 行政事業レビューチームの提言がまとまりましたので、本日官邸に提出しました。
統計情報、研究費に係る制度の改革、エネルギー・原子力政策関連予算などに始まり、各省の事業予算に至るまでをカバーしています。ぜひご一読を。
3 複数府省にわたる課題
研究費に係る制度の改革(競争的資金所管府省)
科学研究費に代表される競争的資金については、一昨年(2014年)の提言でも、各府省で異なる書式やルールの統一を求め、政府においても改善が図られたところである。
しかし、いまなお各大学・研究機関等が独自のローカルルールを設けていることにより、エクセルで作成された申請書のフォーマットが使いづらい、電子申請が出来ず書類を郵送しなければならない、申請のたびに業績等の研究者情報を入力しなければならないなど、非合理的な制度が存在するとの指摘が、現場の研究者等から多数、寄せられている。
研究者が不必要な事務負担に多くの時間を費やしていることは、本来の目的である研究活動の生産性を阻害し、人件費に換算すれば無駄な支出ともなる。研究費に係る制度について、研究者ファーストの目線での早急な改革が必要である。
- 研究費に関しては、研究者目線での不合理なルールの廃止を徹底すべき。
- ローカルルールを全廃し、少なくとも全ての国立大学・国立研究機関等で制度を統一すべき。
- リサーチマップ等のポータルサイトを活用し、研究者情報を共有すべき。
- 旅費については、合理化すべき。
- 官民データ活用推進基本法で定められた「デジタルファースト」の方針に従い電子申請を基本とすべき。
国立大学法人運営費交付金が削減される一方、競争的資金等を加えた研究費予算は、少なくとも横ばいになっているにもかかわらず、わが国の基礎研究の成果が上がっていないという声が根強い。
それについてはしっかりとした検証が必要だが、2020年度のプライマリーバランス黒字化という目標に鑑みると、今後、研究費の大幅な増額は期し難い状況である。
しかしながら、文部科学省内で研究の成果を客観的に何で測るかといった指標が明確にされていない。また、運営費交付金、科学研究費等競争的資金、宇宙・原子力・スパコンなど巨額の予算が投入されるメガプロジェクトの間の予算配分や優先順位付けの司令塔が不明確である。
- 基礎研究に関する現状認識について統一見解を早急にまとめるべき。
- 研究の成果を客観的にどう測るか、政府内での合意を図るべき。
- 運営費交付金と競争的資金のこれから将来へ向けての配分の在り方に関して検討すべき。