2021年7月15日木曜日

記事紹介|大学におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)

最後に経営の高度化について述べておきたい。

教育と研究は健全な経営を基盤として初めてその機能を維持し、高度化させることができる。ヒト、モノ、カネ、情報という経営資源を確保し、大学が進むべき方向を定めて、適切にこれらの資源を配分するのが経営の役割であり、その難度は高まり続けている。そのためにも経営を持続的に高度化させていかなければならない。

DXによる経営の高度化とは、事務的処理のデジタル化を通して人的資源をより付加価値の高い業務に振り向けるとともに、データを最大限に活用することで、大学の諸機能の高度化と新たな価値の創出を促す取り組みである。

デジタル技術が社会や組織に大きな変化をもたらすなか、大学が従来の組織・プロセス、仕事の仕方や発想から脱却できなければ、厳しさを増す環境において淘汰を免れないだろう。

このことは組織だけでなく、そこで働く構成員も取り残されることを意味する。自校の中だけでしか働けない人材ばかりでは、厳しさを増す大学間競争に打ち克つことはできない。個々の成長を促し、他校でも、さらには他業種でも活躍できる能力が身につくように、場を整え、機会を与えるのが経営の役割である。

DXによる経営の高度化は、大学という組織にとってもその構成員たる個人にとっても必須のテーマである。

変化への抵抗は、社会、組織、個人のそれぞれのレベルにあり、それが変革を難しくしていることは周知の通りである。特に大学には変化への根強い抵抗がある。その大学でDXに取り組むことが如何に難しいことかは容易に想像できる。

トップがDXの本質を理解し、強い信念と覚悟を持って旗を振り続けられるか、教職員が自分自身の問題として捉え、積極的に活動に参画するか、デジタル技術と学内業務を理解する人材が得られるかが、成否を分けるポイントと考えられる。

出典:大学を強くする「大学経営改革」DX(デジタルトランスフォーメーション)が大学に問いかけるもの 吉武博通|カレッジマネジメント リクルート進学総研