2021年11月4日木曜日

大学情報通信 2021/11/04

【DX】

国立情報学研究所は、「教育機関DXシンポアーカイブズサイト」を公開した。同研究所と「大学の情報環境のあり方検討会」は、コロナ禍下において、大学等における遠隔授業等に関する情報を共有するため、2020年3月末より週1回から隔週のペースでサイバーシンポジウム「教育機関DXシンポ」(「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」から名称変更)を開催。今回公開されたアーカイブズサイトは、シンポジウムで発表された過去の資料、講演映像について検索・閲覧ができるもの。

【学生支援】

シェアサイクルサービス「チャリチャリ」を運営するneuet社(本社:東京都千代田区)では、2021年11月1日より、公立大学法人福岡女子大学の構内にチャリチャリのポートを開設したと発表しました。福岡エリアにおいて、大学へのポート設置は初となります。
今回、JR香椎駅・西鉄香椎駅と大学との移動や、更に大学周辺の回遊性を高める移動手段として福岡女子大学の学生のみなさんからの要望を受けてポート設置。
これにより、学生のみなさんの利便性向上だけでなく大学周辺の回遊性を高めることにより香椎エリアの地域活性に繋がることが期待されます。

【キャリア支援】

(株)リクルートの研究機関・就職みらい研究所は、「2023年卒 インターンシップ・就職活動準備に関する調査」における2021年9月時点の調査結果をまとめ発表した。
9月時点でインターンシップに参加した学生は68.4%と前年と比べて21.6ポイント増加。参加社数も平均5.30社と前年の4.03社と比べて約1社増加した。参加したインターンシップの形式は、Web開催が平均4.58件(前年3.19件)、対面開催のものが平均0.72件(前年1.33件)で、よりWeb化が加速している様子が伺える。

【国際化】

文部科学省は、「留学生就職促進教育プログラム認定制度」について、委員会における審査を踏まえ、認定するプログラムを決定、発表した。同制度は、外国人留学生に対する「日本語教育」、「キャリア教育(日本企業論等)」、「インターンシップ」を一体として提供する質の高い教育プログラムを文部科学省が認定、外国人留学生の日本国内での就職促進につなげようというもの。群馬大学、東京大学、関西大学ほか9大学(国立7大学/私立2大学)の9プログラムが認定された。

【産学連携】

文部科学省は、令和3年度産学官連携支援事業委託事業の一環として、「全国アントレプレナーシップ人材育成プログラム」を実施する(運営受託者:有限責任監査法人トーマツ)。プログラムは、コース1:SDGs、地域の社会課題を本気で考えるためのコース、コース2:新しいチャンスを見つけて課題解決やビジネスに活かす具体的な方法論を学ぶコースの2コース(原則すべてオンライン)。開催期間は2021年12月2日~2022年1月(予定)、対象は大学生・大学院生(社会人学生含む)。応募受付は11月24日17時まで。

【図書館】

私大連の提言に対しては、学会の会員らから大学図書館の廃止や司書不要を主張しているのではないかとする疑問の声が相次いで上がっていた。私大連は簡略に表現したため、誤解を招いたとしてあらためて補足説明と釈明の文書を出した。

【ガバナンス】

私立大学を日本私立大学協会準拠、日本私立大学連盟準拠、大学監査協会準拠に分類。東京医科大学、大谷大学、東北学院大学、名古屋外国語大学、名古屋学芸大学、岡山理科大学、倉敷芸術科学大学、千葉科学大学、岐阜聖徳学園大学を追加(2021/11/02)

【広報】

多くのステークホルダーがあり、教職員個々の思いがある一方で人員や予算、時間が限られ、結果的にばらばらになりがちだった広報物を統一的にデザイン可能とする仕組みを目指した。体制や発注体系を見直し、長期的、包括的に同じデザインチームで広報ツールの制作に取り組める環境を整備。学内の多くのスタッフ・所管と対話を繰り返した上で、さまざまな分野の考え方を包括し、大学の魅力や社会に向けるメッセージを端的にアウトプットするデザインのガイドラインを構築し、全てのツールに展開した。
中木さんによると、「慣習的に記載しなければならない」「古い情報を捨てられず情報の整合が取れなくなる」「経緯の説明が長く本論が見えない」といった公的機関のウェブサイトなどに見られる問題点を解消するため、特に情報の取捨選択には強い意志を持って取り組んでいるという。そのほか、「デザインスクールの発行物としてふさわしいクオリティーを長期的に維持すること」「大学の学びや気付き、プロジェクトの魅力を教職員自身がまずしっかりとつかみ、分野外の方にも伝わるように届けること」を意識する。
グッドデザイン賞の審査委員からは「複雑な組織から成り、異なる多くの人が管理者として関わり、たくさんの情報を発信していく大学で、ツール全体のデザインを統一させることはとても大変な労力だったと思う。それに挑んだ試みが大変素晴らしい」という評価があった。「課題を明確にして、事業のスクラップや統合、体制の再構築から取り組み、規模とリソースに適した運用を検討しデザインプロジェクトに展開していくという一連のプロセスはとてもチャレンジングであり、事業構想的で宮城大学らしいアプローチでもある。このチャレンジそのものを評価いただけたことをうれしく思う」と中木さん。

【コロナ】

広島大学は、コロナ禍下での学生生活の実態を把握し、授業方法等の改善や学生の心身の健康維持に必要なサポートを充実させるため、昨年度(2020年度)に続いて学生アンケートを実施。結果を公表した。
2021年度第1タームにおいて「指導教員やチューターとコミュニケーションが取れていたか」との問いには、大学院生・留学生は8~9 割が「(十分/やや)取れている」と回答。学部生は5割強だったが、3者とも昨年度より増加した。「同級生や友人とのコミュニケーション」も全体の7割以上が取れていると回答、これも昨年度より増加した。

コロナ禍で実施された2021年の大学入試では、受験生が出願する大学を考える際に新たな検討材料が生じた。それは、各大学のコロナ対応だ。20年度にほとんど対面授業ができなかった大学も多い中、コロナ禍で学生や受験生に対して、どのようなケアをしていたのかが大きな関心事になった。
コロナ対応が良かったのは、いったいどの大学なのか。大学入試などの調査や研究を行っている大学通信(東京・千代田)は、高校の進路指導教諭を対象にアンケートを実施した。全国の進学校2000校に呼びかけ、739校から回答を得て、初めて「コロナ対応が上手だったと思われる大学」ランキングを作成した。

【働き方】

<メール送付の抑制等>
長時間労働が生じる要因として、時間外等に業務に関する指示や報告がメール等によって行われることが挙げられる。このため、役職者、上司、同僚、部下等から時間外等にメールを送付することの自粛を命ずること等が有効である。メールのみならず電話等での方法によるものも含め、時間外等における業務の指示や報告の在り方について、業務上の必要性、指示や報告が行われた場合の労働者の対応の要否等について、各事業場の実情に応じ、使用者がルールを設けることも考えられる。
<労務管理上の留意点>
時間外、休日又は所定外深夜のメール等に対応しなかったことを理由として不利益な人事評価を行うことは適切な人事評価とはいえない。
(厚生労働省ガイドラインより)

【その他】

<日本国内の順位>
1位「東京大学」(11位)
2位「京都大学」(15位)
3位「東京工業大学」(21位)
4位「大阪大学」(22位)
5位「東北大学」(23位)
6位「名古屋大学」(28位)
7位「九州大学」(29位)
8位「北海道大学」(30位)
9位「早稲田大学」(40位)
10位「慶應義塾大学」(46位)
※括弧内は「QSアジア大学ランキング2022」順位

<研究者の責務とは>
「役に立つ」ことを学問・研究に求める姿勢は、「選択と集中」のかけ声とともに近年急速に強まっている。
予算やポストを得るには、国が推進する政策に沿い、早期に成果が出そうなテーマを設定するのが有利で、その実績が研究機関や学者の評価につながる。
むろん事故や災害、病気を防ぎ、生活を豊かにする研究は重要だ。しかしそこでも思考停止は禁物だ。研究が何を生み、何をもたらすかを見極め、必要に応じて異を唱えることは、研究に携わる者の責務である。
あわせて、社会を一変させるような発見や技術革新には、既存の研究の延長にとどまらない発想が求められることも忘れてはならない。成果にとらわれない地道な基礎研究がその土台であり、これを軽んずれば将来の芽を摘むことになる。
学問・研究に対する正しい理解を欠く政治のうえに、豊かな社会は到来しない。23条が説くところをかみしめたい。

国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が31日に開幕するのを前に、米ニューヨークの国連本部に現れた恐竜が気候変動問題で行動を起こすよう呼びかける動画を、国連開発計画(UNDP)が公開した。