2019年8月20日火曜日

記事紹介|組織変革のヒント

ベンチャー企業に派遣された経産省職員へのインタビュー記事。いろいろと考えさせられます。ポイントを勝手に整理します。


  • メルカリが意思決定の速い、横の連携もスムーズな柔らかい組織であり続けられているのは、フラットな組織構造以上に、心理的安全性をいかに担保するかに腐心していることが大きい。
  • 組織が階層構造になっているのには、間違いが起こらないようにという意味があるが、なにか新しいことをやる上ではそれでは時間がかかりすぎるし、どれだけ尖ったアイデアだったとしても、最上位にたどり着くころにはすっかり角が取れて丸くなってしまう。
  • イノベーションはいろんなものの掛け合わせから生まれるので、横の連携も不可欠。けれども、いわゆる大組織の構造は課室ごとに役割が分かれていて、なおかつメールという閉じたツールを使って仕事をしていると、隣の課の人が普段どんな会話をしていて、どういう考えを持って仕事をしているのかといったことをほとんどうかがい知ることができない。
  • お互いの人間性が分からないままだと、ちょっとしたことを聞きに行くのにも逡巡が生まれる。そうすると、「ヤッホー」みたいな感じで気軽に聞きに行けていれば起こったはずの化学反応が起こらないし、すぐに進んだ話もなかなか進まなくなってしまうことになる。
  • 新しいものを素早く生み出すためには、従来のようにトップが一人で考えていたのではダメで、集団を構成する一人ひとりが自分で考え、出てきたアイデアを組織としてまとめる必要がある。そのためには上司と部下、あるいは横にいる仲間同士が普段から「あくびをしながら言える関係」を築けていることがものすごく重要になる。
  • 新しいことをやるにはトップダウンだけではダメで、ボトムアップでいろんな人がアイデアを出す必要がある。そして、ボトムアップでアイデアが出てくるためには心理的安全性が重要である。なによりもまず、こうした意識が組織内で十分に醸成されている必要がある。テクニカルなことはそのあと。
  • 「私はまだ係員だから」とか、「上司がなにを考えているか分からないから」とか、やらない理由はいくらでも探せる。でも、実際には自分がやるかやらないかしかない。やる覚悟があるかないか。それだけ。
  • もしかしたらこれは経産省に限った話ではなくて、他の企業でも同じなのかもしれない。だから、大企業の中にいて「この組織は変わらない」と諦めている人や、逆に「自分は組織に染まりすぎてしまった」と感じている人も、自分でそうやってブレーキを踏むことをしないで、やればいい。その結果失敗したとしてもそれ自体が糧になる。それだけで一歩進んでいるわけだから。

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