2020年5月14日木曜日

記事紹介|自分の頭で考えることのできる人を育てる教育が、今まさに必要とされている。

出口氏は「教育の2つの目的」についてこう語る。

1.自分の頭で考える力を養う

*自分が感じたことや自分の意見を、自分の言葉で、はっきりと表現できる力を育てること(人格の完成)

2.社会の中で生きていくための最低限の知識(武器)を与える

*お金、社会保障、選挙など、社会人になるとすぐにでも直面する世の中の仕組みを教えること(社会の形成者として必要な資質を備えること)

そして、「尖った人」に関してはこんな文章がある。

『日本の教育は、スペシャリストよりゼネラリスト(いろいろな分野の知識を広く浅く持っている人)を育てる教育です。

これは、「一括採用、終身雇用、年功序列、定年」という、人口増加と高度成長の2つを与件としたガラパゴス的な労働慣行にフィットしたものです。

ゼネラリストという概念は、日本を除けば、世界のどこの国にも存在しません。厳しい競争にさらされている世界では、「ゼネラリスト人材を育成しよう」などと悠長なことをいっていられるはずがないのです。

確固とした自分の得意(専門)分野を持ち、なおかつ企業全体を見渡せる専門人材を育成するのが世界の常識です。

アイデア勝負の時代に必要なのは、自分の好きなことを究めて高い能力を発揮するスペシャリストです。

工場モデルに最適化した「素直で、我慢強く、協調性のあるタイプ」ばかりを育てるのではなく、スティーブ・ジョブズのような尖った人材の育成が急務です。

これからの日本でイノベーションを起こそうと思うのなら、極論すれば、日本人全員が自分の好きなことを究めなくてはいけないのです。』

この混沌とした時代は、先の見えない時代であり、前例のない時代だ。

「何百年に一度」とか、「戦後初めて」というような「まくら言葉」が付くできごとが頻繁に起こる。

前例のない時代を、「想定外」と言ったりする。

想定内とか前例踏襲の事例や事件ばかりなら、過去に起きたことや覚えたことを再現する能力に長けていれば活躍できる。

しかし、前例のない想定外の時代は、自分の頭で考える力のある人しか生き延びることができない。

世界中が、近世においてありえなかった、想定外のコロナ禍に直面している今…

自分の頭で考えることのできる人を育てる教育が、今まさに必要とされている。