たびたび引用させていただいている、ブログ「今日の言葉」から「恩送り」(2013年6月7日)を抜粋してご紹介します。
名古屋市のSさん(40)が、東京に住んでいた8年前の夏の話。
当時1歳の娘さんを連れ、名古屋の実家へ帰省することになった。
自由席券を買って新幹線に乗ったところ、全車満席。
沢山の荷物と、子どもを抱いていたSさんはデッキに座り込んでいました。
そんなとき、同年配の女性が「赤ちゃんを抱えて大変。こちらへいらっしゃい。」
案内されたのはグリーン車だった。
窓側の席には、小学校6年生くらいの息子さんが座っていた。
隣の通路側席を指さし「ここへ座りなさい」と言い、切符を交換してくれた。
その女性はデッキに立ち、途中二度ほど息子さんの様子を見に来た。
何かお礼がしたいと思い、たまたまかばんに入っていた500円の図書券を息子さんに渡すと
「お母さんに怒られますから」と受け取ってくれない。
降りる間際に、母親に渡そうとすると
「気にしなくてもいいのよ。気をつけて帰ってね」と言われた。
実家に着くと、すぐに母親にそのことを報告した。
それから3ケ月後、今度はSさんのお母さんが上京したときの話。
新幹線の自由席のチケットを買い、ホームで並んでいると、
すぐ後ろにベビーカーを押す女性がいた。
列車に乗り込むと、席は一つしか空いていない。
手招きして、そこへ母子を座らせてあげた。
「あなたが、この前受けたご恩を少しお返しできたきがするわ」と報告を受けた。
「いつもこの二つの出来事が心に残っています。
自分も席を譲るようにと心掛け、小学4年生になった娘にも、
人に親切にしようねと教えています。」