「 強みを徹底することで差別化を 」(日本私立大学協会私学高等教育研究所研究員 岩田雅明氏、 文部科学教育通信 No.277 2011.10.10 )をご紹介します。 競合校と比較し分析する 前稿で競合校を知ることの重要性と、その認識方法について述べたが、競合校と戦うために必要となる、競合校に優っている自学の強みを把握するためには、競合校の内容を詳しく知る必要がある。競合校も自分の強みはアピールしていると思われるので、パンフレットやホームページを見ることで、かなりの部分は把握できるであろう。ただし、学内の雰囲気や教職員の意欲といった大学の風土等に関しては、実際にその大学に行ってみないと伝わってはこないものである。このため、競合校を実際に見に行ってみることを、ぜひお勧めしたい。 企業の場合、競合他社を視察するというのはよく行われていることのようであるが、大学の場合には、モデルとなるような実績を挙げている大学の見学というような企画は実施されてはいるが、競合する大学を見に行くということは、あまり行われていないように思われる。私自身、出張に行った際に時間ができると他の大学に行ってみることがあるが、学生の服装や髪形、表情などといったことから、その大学の状況が相当程度に伝わってくるものである。そしてそれは、往々にして大学がアピールしている内容と合っていないことがあるように感じられる。また細かい点ではあるが、学内に貼られている「○○禁止」などといった注意事項も、その大学の現状をうかがうことのできるものの一つである。 このようにして競合校の内容を把握することができたならば、それを自学と比較し、分析することである。この際に、比較の視点をどのように定めるかが問題となる。さらに伸ばしていく必要のある強みや、補強すべき弱みは、受験生や保護者といった大学の顧客が選択の基準として重要視している事項に関わるものでなければ意味がないのであるから、比較の視点も受験生や保護者が重要視している事項ということになる。一般性のある重要視事項として挙げられるものは、入学の難易度、学費(支援制度)、資格取得、学ぶ内容や手法、就職状況といったものであろう。競合校と比較する際には、入り口に関する事項、中身に関する事項、出口に関する事項に分け、比較・分析してみると分かりやすい。 大学の競合校に対...