2023年8月9日水曜日

記事紹介|科博のクラウドファンディング

今回のクラファンのもう一つの目的は、定期的に来場してもらえる「科博ファン」の増加のほか、科博の活動に価値を感じる個人や企業の広がりを生み出し、「継続的な寄付」という形で科博を支援するパートナーを探すきっかけづくりにある。

クラファン初日に目標を達成したことで、社会的に大きな話題にはなった。ただ、このまま「科博がピンチ。クラファン初日で目標達成!」という瞬間的なニュースとして消費されてしまうだけでは、注目度が落ちていく今後の活動の中で、継続的な寄付への導線も作りにくくなってしまうように思える。ましてや、これまで科博とは縁が薄かった人に、科博の活動の価値や面白さを伝えることは難しい。

今回のクラファンの大成功は、科博のリソースをフル活用した豪華なリターンに支えられた側面がある。これを科博以外で再現することはかなり難しい。

だからこそ、今回の事例をただの「いい話」として終わらせずに、科博には博物館の価値や、研究機関としての役割の重要性を伝える活動と、科博に限らずそこに継続的な支援の手が向けられる環境作りを、このクラファンの本当のゴールとしてこれからの活動を続けてほしい。

出典:2日で4億円突破の「国立科学博物館」クラファン。大成功でもまだ気が抜けない理由|Business Insider Japan