AXって何?AI時代に大学と学生に求められる力
生成AIがどんどん進化する今、「これからの社会で活躍できる人はどんな力を持った人なのか」「大学はどう変わるべきか」――そんなテーマについて、文部科学省がまとめた資料をもとに、できるだけわかりやすく紹介します。
「AX」ってなに?
まず聞き慣れない言葉から。「AX」は「AIトランスフォーメーション」の略で、AI(人工知能)によって社会や仕事のやり方が大きく変わっていくことを指します。DX(デジタルトランスフォーメーション)のAI版、とイメージするとわかりやすいかもしれません。
この資料は、そんなAXの時代に、大学などの高等教育機関が「どんな人を育てるべきか」について、国の審議会や経済界(経団連や経済同友会など)が出した意見をまとめたものです。
AIに「使われる」のではなく「使いこなす」人になる
中央教育審議会(国の教育に関する専門家会議)は、こう指摘しています。AIが仕事を代わりにやってくれる時代だからこそ、人間にしかできないことをやり切る力が大切だ、と。具体的には次のような力が挙げられています。
- 主体性 ―― 自分から動く力
- リーダーシップ ―― 人を引っ張る力
- 創造力 ―― 新しいものを生み出す力
- 課題設定・解決能力 ―― 問題を見つけて解決する力
- 論理的思考力 ―― 筋道立てて考える力
- 表現力 ―― 自分の考えを伝える力
- 集中力・粘り強さ ―― あきらめずにやり抜く力
- コミュニケーション能力 ―― 人とうまくやっていく力
つまり、「AIに知識で勝負する」のではなく、AIと一緒に働きながら、人間らしい強みを発揮できる人が求められている、ということです。
文系・理系の枠を超えた学びが重要に
これからの時代は、一つの専門分野だけでは対応しきれない問題がたくさん出てきます。そこで注目されているのが「総合知」という考え方。文系・理系の垣根を越えて、いろいろな分野の知識を組み合わせる力です。
資料では、リベラルアーツ教育(幅広い教養を身につける教育)や、文系・理系を横断する学びのプログラムを大学に取り入れることの重要性が強調されています。
経済界からも「学び方」を変えてほしいという声
企業側(経団連や経済同友会)からも、大学教育への提言が相次いで出されています。主な内容はこんな感じです。
- 「20歳前後の学生」という思い込みをやめよう ―― 日本の大学は18歳入学を前提にしがちですが、社会人になってから学び直す人など、もっと多様な学生を受け入れる仕組みが必要という指摘があります。
- 理系人材をもっと増やそう ―― 産業界のニーズに応えられる理系学部の定員を増やすなど、支援を強化すべきという提言があります。
- 大学は「教える場」から「学び方を育む場」へ ―― 知識を一方的に教えるのではなく、学生が自分で問いを立て、考え、実践する力を伸ばす場に変わるべきだという意見が出ています。
- 企業と大学がもっと連携しよう ―― 産学連携を進め、実社会で役立つ学びを提供することが期待されています。
これからの「学ぶ力」とは
いろいろな立場からの提言を通じて見えてくるのは、こんな人物像です。
AIを道具として使いこなしながら、自分なりの問いを立て、文系・理系にとらわれず幅広い知識を組み合わせて、新しい価値を生み出せる人。そして、そのために「学び続ける力」を持っている人。
AIが多くの作業を肩代わりしてくれるようになるからこそ、「人間にしかできないこと」の価値が、これまで以上に問われる時代になりそうです。大学教育も、そうした変化に合わせて姿を変えていくことが求められています。
出典
文部科学省「AX時代に求められる人材像について〜高等教育に関する経済界からの提言等〜」(2026年7月16日公表資料)
https://www.mext.go.jp/content/20260716-mxt_koutou01-000050992_8.pdf

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