急増する留学生、専門学校に問われる「量」から「質」への転換

コンビニやレストラン、工事現場など、街中で外国人スタッフを見かけることが増えたと感じている方も多いのではないでしょうか。実はその背景には、日本で学ぶ「外国人留学生」の急増があります。

日本学生支援機構(JASSO)が発表した最新の調査(2025年5月1日時点)によると、日本で学ぶ外国人留学生は約40万8000人。1年間で7万人以上、率にして21%も増え、初めて40万人を超えました。

これは日本政府が「2033年までに40万人」と掲げていた目標を、8年も前倒しで達成した計算になります。

なぜ増えたのか?

大きな理由は2つあります。

  1. コロナ禍の入国制限が完全に解消したこと
  2. 「日本で進学して、そのまま日本で就職したい」という留学生が増えていること

かつては「日本語や日本文化を学びに来る」留学生が中心でしたが、いまは日本でのキャリア(就職)を見据えて来日する人が主流になりつつあります。

主役は大学ではなく「専門学校」

留学生というと大学を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はいま伸びているのは専門学校です。

学校の種類 留学生数 前年からの増加率
専門学校約10万6800人28.5%増
日本語学校約14万人23.5%増
大学約9万2400人5.4%増
大学院約6万人3.0%増

専門学校の留学生は、初めて10万人を突破し、大学・大学院を上回る規模になりました。日本語学校とあわせると約25万人となり、留学生全体の約6割を専門学校+日本語学校の2つが占めていることになります。

専門学校が選ばれる理由は分かりやすく、

  • 就職に直結する実践的なスキルを、2年程度の短期間で身につけられる
  • 企業とのつながりが強く、就職サポートが手厚い

という点が、日本で働きたい留学生のニーズにぴったり合っているからです。

出身国にも変化が。中国だけじゃない時代に

留学生の出身国・地域にも変化が起きています。

  • 中国:約13万1000人(引き続き最多、5.8%増)
  • ネパール:約10万人(35.3%増)
  • ミャンマー:約2万9400人(43.6%増)

これまでは中国やベトナムが留学生の中心でしたが、いまはネパールやミャンマーをはじめ、南アジア・東南アジア全体から日本を目指す学生が急速に増えています。

出身国が多様化するということは、文化的背景も日本語のレベルもさまざまな学生が増えるということ。学校側にはこれまで以上にきめ細かなサポートが求められています。

半数以上が「日本で就職したい」

留学生の意識調査を見ると、54.4%が「日本国内での就職を希望」していることが分かっています。

実際、2023年度に日本の大学や専門学校などを卒業した留学生のうち、51.6%が日本国内の企業に就職しました。この数字はコロナの影響を除けば右肩上がりで増え続けています。

政府もこの流れを後押ししており、

  • 留学生のキャリア形成に力を入れる専門学校の学科を認定する「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」
  • その認定課程を修了した留学生については、就労ビザへの切り替えをよりスムーズにする運用見直し(2024年)

といった制度が整えられています。

これからの課題:「量」より「質」

一方で、急激な増加は新しい課題も生んでいます。

専門学校に入る留学生の多くは、まず日本語学校で日本語を学んでから進学します。つまり日本語学校は留学生の「入り口」ですが、過去には一部の日本語学校で、学生の在籍管理や教育内容に問題があるケースも報告されていました。

これを受けて国は2024年度から日本語教育機関認定制度をスタートし、教育の中身や先生の体制、学生の生活・在留サポートなどをきちんと審査する仕組みを強化しています。

また、就職活動の場面では、留学生自身が「日本の就活のやり方が分からない」「日本語力が足りない」「日本企業のことをよく知らない」といった壁にぶつかりやすいことも、文部科学省の調査で明らかになっています。企業側も、留学生の日本語力や働き方への理解不足を課題に感じているのが実情です。

まとめ:数字の裏にある「これからの日本」

留学生40万人という数字は、単なる統計上の記録ではありません。その中身を見ると、

  • 専門学校が留学生受け入れの新たな主役になっていること
  • ネパールやミャンマーなど、これまで馴染みの薄かった国からの留学生が急増していること
  • 半数以上が「日本で働きたい」と考えていること

が見えてきます。

人手不足が叫ばれる日本社会にとって、こうした留学生は将来の担い手候補でもあります。だからこそ今後は、「何人受け入れたか」という数だけでなく、卒業後の就職や地域での定着まで見据えた支援体制が、学校にも社会にも求められていると言えそうです。

街で外国人スタッフを見かけたとき、こうした背景を少し思い出してみると、日常の風景が違って見えてくるかもしれません。


出典:専門学校で学ぶ留学生が初の10万人超え、キャリア支援まで見据えた受け入れが重要に|Between情報サイト
https://between.shinken-ad.co.jp/detail/2026/07/ryugakusei.html

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