2019年12月25日水曜日

記事紹介|大学入試改革、精密な制度設計を怠り「改革」を自己目的化して暴走した罪は重い

今の政府は大学に限らず教員たちの社会的地位を引き下げ、そのプライドを傷つけることについては実に熱心である。「実学だけ教えろ」とか「実務家を教員に登用しろ」とかいった主張はもっぱらアカデミアの知的威信を損なうことをめざしている。それによって大学の学術的発信力がV字回復し、学生たちの知的成熟が促進されると信じている人は政府部内にもいないだろう。彼らはどんな有害無益な政策にも従順に従う「イエスマン国民」が欲しいだけなのだ。

(出典)内田樹「愚策に固執し、教員のプライドを傷つけることに実に熱心な政府」|AERA dot.