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本当の効率とは

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論考「つながる組織づくり」(岩田雅明 氏)( 文部科学教育通信 No292 2012.5.28 )から引用しご紹介します。 ◇ どこの大学でも、非正規職員というものは存在しているであろうし、その比率は徐々に高まる傾向になっているのではないかと思う。これは企業でも同じである。なぜかといえば、もちろん人件費の抑制のためである。また不景気になると、真っ先に削減されるものの一つに研修費が挙げられる。これらの動向から感じられるのは、組織の最も重要な構成要素であり、組織の成果を左右する大きなカギとなる『人』に関する支出を、単なるコストとしか見ていないということである。コストとしてとらえれば、当然ながら、できるだけ削減するという方向になってしまう。しかし、『人』は組織の成果を左右する、最も大切なものである。それは単なるコストではなく、むしろ投資である。投資であるならば、それを削減するということでなく、より大きな成果を得られるようになることをめざすべきである。 段ボール製造で国内最大手のレンゴーは、2009年4月、業績悪化による雇用調整という事態が大手企業で続出していた中で、派遣社員千人全員を正社員化するという決断をしたことが「日経ビジネス」に紹介されていた。この決断の背景にあるのが、同じ仕事をしている社員の処遇に差をつけるべきでないという、社長の信念であると。まさに『人』に要する費用をコストではなく投資と考え、一体感のある、『人』を活かす組織にすることで、より大きな成果を上げていこうという考え方であると思う。 同社の人件費は、年間4~5億円の増加になったという。ところが、皆が同じ処遇になったことで現場の社員の意思疎通が大変良好となり、工場内の清掃、整理、整頓といった面も大幅に改善されたとのこと。その結果、製品のロス率が大きく低下し、2009年第一四半期の営業利益は前年比81%増、純利益は2倍になったという。まさに投資大成功、といったところである。 成功の智恵―道をひらく名言・名句 (PHP文庫) 江口克彦 PHP研究所 発売日:2001-03 ブクログでレビューを見る»

ラッキーに見える人間

自分が今、いかに苦労しているかとか、忙しくてどれだけ大変か、をまわりにアピールする人がいる。しかし、経営が苦しいとか、忙しくて倒れそうだ、と深刻そうに言われても、まわりは少しも明るくはならない。 まわりに多くの人が集まる人には、明るくて、軽(かろ)やかで、居心地のいい雰囲気がある。たとえどんなに苦しくても、ニコニコとして、少しも苦労を見せない人だ。 松下幸之助翁を初めとして、多くの成功した人は、「自分は運がよかった」と言う。病気で倒れたり、倒産の危機に瀕(ひん)したときでさえ、自分は「ツイていた」という。 いつも笑顔でいれば、笑顔になるようなことがやってくるという。いつも深刻そうな顔をしていれば、深刻な出来事がもっとやってくる。いつも「ツイている」「ラッキーだ」と言っている人には、ツイていること、ラッキーなことがやってくる。 「ラッキーに見える人間」 忙しさや苦労を微塵(みじん)も見せない、余裕のある人でありたい。(「 人の心に灯をともす 」から)

「大学データブック2012」から見えてくるもの(4)

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前回に続き、「 大学データブック2012 」から主な要点を引用しご紹介します。  第5章 大学教育の内部質保証  1 自己点検・評価  1-1 自己点検・評価の実施状況 実施率9割。自己点検・評価は大学の定常活動に。 自己点検・評価を「毎年実施」している割合は全体の45.4%、毎年ではないが実施している割合が45.2%(「数年毎に定期的実施」+「不定期に実施」)であり、ほとんどの大学で自己点検・評価が実施されている。国立大学では「不定期に実施」(30.4%)している割合が相対的に高い。自己点検・評価の開始年度をみると1990年代前半に開始する大学が増えたものの90年代後半は一端収束し、1999年に義務化されてから、開始する大学が再び増加した。 1-2 自己点検・評価の体制と役割 半数以上が専任部門を設置。「企画」「情報収集」「報告書とりまとめ」が基本的な役割。 半数以上の学部長が、「自己点検・評価の専任部門を常設」と回答(53.9%)。大学では現在自己点検・評価の体制づくりが進んでいる。自己点検・評価の専任部門・担当者の主な役割としては、「報告書のとりまとめ」(81.1%)、「自己点検・評価活動の企画」(80.1%)、「自己点検・評価に必要な情報収集」(72.5%)が多い。公立大学や私立大学では、関係部門の連絡・調整や、大学教育に関する課題の分析も担う割合が高い。 1-3 自己点検・評価において重視する情報 今後求められる情報は、「学びの状況」「学習成果」「就職状況」。 「日常的に収集して利用」しているのは、「就職状況に関する情報」(60.4%)がもっとも多い。「今後重視する」情報で最も多いのは、「学生が習得した能力(学習成果)に関する情報」(75.9%)、「学生の学習状況に関する情報」(75.2%)、「就職状況に関する情報」(71.4%)である。この傾向は設置者別にみても、概ね同様の傾向である。 1-4 自己点検・評価の目的と達成状況 評価を活かした、教育・研究の改善が課題。 目的の重視度(「非常に重視」+「やや重視」、以下同)でもっとも高いのは、「教育活動の改善」(91.8%)であるが、その達成度は78.5%にとどまる。目的の重視度と達成度のギャップがもっとも大きいのは、「研究活動の改善」で重視...

「大学データブック2012」から見えてくるもの(3)

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前回に続き、「 大学データブック2012 」から主な要点を引用しご紹介します。 第4章 大学から社会へ 1 仕事・将来への展望と準備 1-1 大学生の仕事観・社会観・将来観 8割の学生が、「仕事を通じて社会に貢献することは、大切なことだ」と考えている。「いい友だちがいる」ことは将来の幸せのための重要なファクター。 「仕事を通じて社会に貢献することは、大切なことだ」という考えを支持している(「とてもそう思う」+「まあそう思う」、以下同)大学生が8割強。社会観については、「努力すればむくわれる社会だ」と考える学生は半数以下(42.8%)で、「競争が激しい社会だ」(79.0%)という認識の方が強い。また、将来については「いい友だちがいると幸せになれる」という考えを92.1%が支持し、「とてもそう思う」だけでも52.7%と、大学生にとって友だちの存在は大きい。大学生は、競争が激しいと認識しながらも、他者への貢献や人とのつながりを重視している傾向がうかがえる。 1-2 卒業後の進路の検討・準備を始めた時期 卒業後の進路を考え始めた時期は大学3年生以降が6割、進路に向けた準備・活動の開始時期は大学3年生の後期以降が6割。 大学卒業後の進路を考え始めた時期は、大学入学後が8割で、そのうち大学3年生以降が6割である。具体的な準備・活動の開始時期についても4割が就職活動の始まる大学3年生の後期に開始しており、4年生に開始する割合(「大学4年生の前期」+「大学4年生の夏休み以降」)も足すと6割が3年生の後期以降に準備 ・ 活動を開始している。 2-1 就職活動で重要だと思うこと 重要なのは自分の考えをわかりやすく口頭で伝えられること。 民間企業を受けた大学生に就職活動を通して重要だと感じていることをたずねたところ、「自分の考えを口頭でわかりやすく伝えること」「自分なりの考えをまとめられること」が9割以上(「とても重要」+「まあ重要」、以下同)を占める。一方、「海外経験が豊富なこと」や「インターンシップの参加経験があること」を重要と感じている割合は2割程度である。 2-2 内定の得られる学生とそうでない学生の違い キャリアセンターでは、内定の得られる学生は「自分なりの考えをまとめる力」「文章力や口頭での表現力など基礎的な力」が優...

「大学データブック2012」から見えてくるもの(2)

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前回に続き、「 大学データブック2012 」から主な要点を引用しご紹介します。 第2章 大学生の学習・生活 1 大学で過ごす時間 1-1 通学日数 1・2年生では7~8割の学生が週5日以上通学。4年生になると文系・理系で大きな差。 大学生の1週間の平均通学日数は4.4日で、週5日以上大学に通っている学生が約6割である。学部系統別には、「医 ・ 薬 ・ 保健」系統がもっとも多く、平均通学日数が5.0日、9割が週5日以上大学に通っている。さらに4つの学部系統に絞って学年別の平均通学日数をみると、1・2年生では学部系統によらずほぼ毎日通学している学生が多いが、4年生になると「人文科学」「社会科学」系統は大きく減っている。 1-2 授業の出席割合 授業の9割以上に出席する大学生が全体の7割。 授業の平均出席割合は、9割以上出席している学生が4学年全体で69.7%で、1年生は79.6%にのぼる。学部系統別では、「医 ・ 薬 ・ 保健」系統の出席割合がもっとも高く、66.4%が10割出席している。一方、「社会科学」系統では10割出席は30.8%にとどまる。学年別には1年生から4年生にかけて出席割合は全体的に低くなっていくが、特に「社会科学」系統で、学年が進むほど、顕著に低くなっていく様子がわかる。 2 授 業 2-1 大学での学びの役立ち感 大学生の約7割が「大学の授業で学んだことは将来役に立つ」と感じているが、学年があがるにつれ減少傾向。 大学での学びを、「大学の授業で学んだことは将来役に立つ」と肯定的にとらえている大学生が69.2%(「とてもそう思う」+「まあそう思う」、以下同)、「授業に限らず大学で学んだことは将来役に立つ」については78.1%と、どちらも多くの学生が大学での学びを将来に有用であると考えている。「大学の授業で学んだことは将来役に立つ」について、学年別にみると、1年生で74.4%が肯定しているのに対し、4年生では64.8%と9.6ポイント低くなっている。学部系統別には「医 ・ 薬・ 保健」系統で85.5%と肯定の回答がもっとも高いが、「社会科学」系統では、64.3%ともっとも低く、両者で21.2ポイントの差がみられる。一方「授業に限らず大学で学んだことは将来役に立つ」については学年別、学部系統別...

「大学データブック2012」から見えてくるもの(1)

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これからの大学教育のあり方を考える材料を提供することを目的として、Benesse教育研究開発センターが2011年度までに実施した様々な調査結果の中から、高等教育(学士課程教育)に関連するデータを選択して編集した「 大学データブック2012 」から主な要点を引用しご紹介します。 この報告書では、大学教育改革に役立ちそうな調査結果が次の5つの観点から整理されています。 高校生の学習・進路選択の状況 大学生の学習・生活の状況 海外留学の課題 就職活動の現状、社会で求められている力 大学の内部質保証の課題 第1章 高校から大学へ 2 大学受験・進学 2-1 大学受験に対する意識 5~6割の高校生が「行先がなくなるのは怖い」「できるだけ楽に済ませたい」と回答 親子とも「学力を伸ばすよい機会だ」と回答した比率がもっとも高かった。しかし、受験は「学力を伸ばすよい機会だ」「成長を促すよい機会だ」と回答した比率は、親が子どもよりも10ポイント前後高い。他方、子どもは親よりも、「受験に失敗し、行先がなくなるのは怖い」が15ポイント以上、「できるだけ楽に済ませたほうがよい」が20ポイント以上高い。 2-2 大学進学に対する意識 子どもは親よりも、「大学に行けば社会で活躍するための実力がつく」、親は子どもよりも、「大学に入ったら勉学に力を入れてほしい」と考えている。 「大学で過ごすこと自体が子どもの人生経験として貴重だ」「大学で学問に取り組めば専門性を高めることができる」と回答した比率は、親子とも約9割と高い。一方で、子どもは親よりも、「大学に行けば社会で活躍するための実力がつく」、親は子どもよりも、「大学に入ったら勉学に力を入れてほしい」と考える傾向がある。大学進学後の親の心配としては、72.9%が「大学卒業後にすぐに就職できるかどうか」を心配しており、もっとも高い。 2-3 大学を選ぶ際に重視すること 親子とも、「専攻したい学問分野があること」をもっとも重視している。子どもは「入試難易度」「キャンパスの雰囲気」、親は「授業料負担」「就職実績」を重視。 大学選択の際にもっとも重視するのは、親子とも「専攻したい学問分野があること」である。第2位以降は、子どもは「入試の難易度が合っている...

受け身の教育から能動的な学修へ

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中央教育審議会大学教育部会の主催により開催された「大学教育改革地域フォーラム­」において、議論の導入として使われた映像が公開されています。

学士課程教育の改革

論考「 大学教育の改善に必要なこと-中教審審議まとめを読んで 」(桜美林大学大学院・大学アドミニストレーション研究科教授 山本眞一 氏)( 文部科学教育通信 No291 2012.5.14 )を抜粋してご紹介します。 中教審が新たな審議まとめ 大学改革が引き続き進行中である。しかしその改革の中心は、2005年の中教審将来像答申を境目として、それまでの高等教育システムの外枠すなわち制度に関わるものから、そのシステムの運用とりわけ教育の内容・方法の改善に軸足を移すようになっている。質保証やグローバル対応を中心概念としたこの新たな動きは、最近いよいよ佳境に入りつつあるようだ。そのような折、今年3月、中教審大学分科会大学教育部会から審議まとめが出た。この審議まとめは「予測困難な時代において生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ」という、従来の審議会では副題として表記されるべきものがメインのタイトルに付けられており、読む者には、ある種の抵抗感と同時に、極めて斬新な印象を与える。それだけでもこれからの大学改革の核心を何とか表そうとした政策当局の苦心が窺えるものである。以下、この審議まとめを中心にこれからの大学教育の改善に必要なことについて、若干の考察を加えてみたい。 この審議まとめは5つのパートから成っている。第一は「予測が困難な時代と大学の責務」と題して、そのような時代に対応できるよう学士課程教育は「学生の思考力や表現力を引き出し、その知性を鍛え、課題の発見や具体化からその解決へと向かう力の基礎を身につけることを目指す能動的な授業」でなければならないとする。またそのためには十分な学修時間を確保する必要があるが、実態としては学修時間が不足していることを問題視している。 第二には、その十分な学修時間は学生の主体的な学びの確立のために必要であり、単に学修の量だけではなく質を伴うものとしてとらえなければならないとし、また国際的な信頼の源泉として学修時間の確保が不可欠だとも言っている。 第三に「個々の授業が学士課程教育の質的転換に向けて進化するために」は、授業を担う教員がそのことを自覚し、努力することが必要だとする。そのためには、学生の学修到達度を図る方法等の研究・開発の推進、大学における教育情報の活用・公表を目的とする「大学ポートレート(仮称)」...

PTA会費について考える

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最近、PTA会費についての記事がいくつか目に止まりました。 PTA費、学校運営に流用 12府県市の監査で改善要求(2012年5月10日朝日新聞) 大阪府や名古屋市など12の府県・政令指定市の一部の公立高校が、保護者らから集めた金を公費の代わりに学校経費に充てたとして、2007~11年度の県や市の監査で改善を求められていたことが朝日新聞の調べで分かった。PTA会費や後援会費といった学校徴収金を校舎修繕費や教職員手当などに充てていた。こうした実態を問題視し、文部科学省も9日、全国調査に乗り出した。 学校の経費は、学校教育法で「設置者(府県や市)の負担」とされる。負担の範囲について、文科省の担当者は「給与や施設の建設・修繕など学校本来の役割に必要な経費」と説明する。 朝日新聞は、市立高校のない相模原市を除く全66の都道府県・政令指定市の教育委員会に07~11年度の公立高校の学校徴収金について尋ねた。その結果、12府県・市の監査で、使途を示して「公費負担すべきだ」などと指摘されていた。 (関連記事) 市立中でPTA会費流用…保護者が返還請求(2012年5月9日 読売新聞) 中国地方でもPTA会費充当(2012年5月11日 中国新聞) 「学校に係る経費をPTAがどこまで負担すべきなのか」「会費が何に使われているのか」については、これまで不明確であり不透明すぎたような気がします。また、明確にされていても、残念ながら適切に守られてきたようには思えません。 今回は、教育熱心なPTAが多いことで知られる国立大学法人の附属学校を例にしてご紹介します。 国立大学法人のうち、教員養成系の大学や学部には、幼稚園、小学校、中学校(以下「附属学校等」といいます)が設置されています。ここに在籍する幼児、児童、生徒の保護者に「 負担を求めることが適当でない経費等 」については、既に、文部科学省から通知(「附属学校の運営に要する経費等の取扱いについて」(平成12年6月13日 文部省高等教育局大学課教育大学室長通知))が出されており、以下のように明確にされています。 PTAは附属学校の教員が構成員となっているため、形式の如何を問わず、当該学校等への金員や物品の提供等(以下「寄付」という。)を目的とする会費の徴収や募金活動をすることはできないこと。 附属学校等の後...

何かが欠けている

本当の進むべき道が判らないまま、超え方だけを人に教わろうとしている。 教科書やテレビやコンピュータ画面ばかりを見て、現実を見ようとしない。相手の現場に立とうとしない。小賢く振舞いながらも、生き方に迷っている。 薪を踏みつけにし、火種を掲げて先を急ぐ。 遠い未来に夢を抱かずに、今日と明日の幸せだけを求めている。 出来ない理由を分かろうとせず、汗を流そうとせずに、結果と豊かさだけを求めている。 力を尽くし、物事に動ぜず、他を受け入れる心の広さ。これは、どんな状況、いつの時代でも必要な心構えだ。 戦後、日本人は、何かを「命がけ」でやることを否定してしまった。覚悟しないで生きられる時代は、いい時代である。だが、死を意識しないことで、日本人は「生きる」ことをおろそかにしてしまってはいないだろうか。(明日葉 No12 2006.10.1 から引用)